山田恵一が橋本真也に勝った日

山田恵一が橋本真也に勝った日

スポーツフォトグラファー原悦生さんが蔵出しの写真と切れ味鋭いコラムでレスラーたちの汗と涙と熱狂の記憶を呼び覚まします。今回は「山田恵一が橋本真也に勝った日」をお届けします。


山田恵一が橋本真也に勝った日

1986年4月11日、後楽園ホールでは新日本プロレスのビッグファイター・シリーズの開幕戦が行われていた。
シリーズ名にふさわしくアンドレ・ザ・ジャイアント、マスクド・スーパースター、上田馬之助、さらには前田日明らのUWF勢が参戦していた。
そんな豪華なメンバーの前座試合として、山田恵一 vs 橋本真也の20分1本勝負は組まれた。

山田は1964年11月生まれ、1984年3月デビュー。
橋本は山田の少し後輩で、1965年7月生まれ、1984年9月デビュー。

21歳の山田は小柄でウェイトは85キロくらいだっただろう。
一方の20歳の橋本は大きかったが、まだ115キロくらいだった。
全盛期の橋本のずっしりした感じはまだない。
だが、この約30キロの体重差で二人がどう戦うのかは興味深かった。

山田は1986年2月には大阪城ホールでアントニオ猪木とタッグを組み、木戸修、高田伸彦と対戦している。
前年は準優勝だったが、1986年3月には第2回ヤングライオン杯の優勝戦で後藤達俊を破って優勝した。

山田はイケイケだった。
だが、橋本はウェイトの差を武器にガンガン山田を攻めまくった。
キック、ソバット、叩きつけるボディスラム、キャメルクラッチ。
キックの激しい連打に山田の体がサンドバッグのように歪んだ。
山田が壊れてしまうんじゃないかと心配になるほど、橋本は容赦なく蹴りまくる。

山田は橋本を首固めで丸め込んだり、アキレス腱固め、あるいはバックドロップで対抗した。

だが、押さえこんでも、どちらも意地の張り合いのように必死でフォールから逃れた。

山田がタイガーマスクのように体からぶつかるきれいなフライング・クロス・チョップを見せた。
そして、橋本をパイルドライバーの体勢で持ち上げると、真っ逆さまに落とした。
ハッとするような危険な角度だった。
さらに、山田はコーナーからのダイビング・ヘッドバットを決めると3カウントを奪った。

13分45秒の小気味いい試合だった。

ゴールデン横丁の仲間たち | 原 悦生(はら えつお)

https://goldenyokocho.jp/articles/672

16歳からプロレスを撮り始める。スポニチの写真記者を経て、1986年からフリーランス。アントニオ猪木とイラク、キューバ、北朝鮮など世界中を旅した。サッカーではUEFAチャンピオンズリーグの常連で、ワールドカップは8回取材している。プロレスの著書には「猪木の夢」「INOKI」「Battle of 21st」などがある。国際スポーツ記者協会(AIPS)会員。 FootballWorldで食べまくり!

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