リンゴ・スター来日!ビートルズ、TOTO、サンタナ、メン・アット・ワーク、AWB…ヒット曲満載なライブの楽しみ方

リンゴ・スター来日!ビートルズ、TOTO、サンタナ、メン・アット・ワーク、AWB…ヒット曲満載なライブの楽しみ方

あのビートルズのリンゴ・スターが豪華メンバーを引き連れオール・スター・バンドとして3年ぶりに来日。70年代~80年代のヒット曲を次から次へ円熟味のある歌と演奏で味わえるぜいたくなライブ、ロックファンなら見逃せない!


YouTube 出典:vevo

本日の曲:Ringo Starr & His All Starr Band - With A Little Help From My Friends

1967年のアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』収録作で作詞・作曲はレノン/マッカートニー。このアルバムに登場する架空の人物、ビリー・シアーズに扮したリンゴが歌うというコンセプトで作られた曲で、リンゴのライブの定番です。映像はオール・スター・バンドの2010年のライブより。

平成元年の初来日から30年のオール・スター・バンド

店番  :ビートルズのリンゴ・スターが3月から4月にかけてジャパン・ツアーを行ないます。

北中さん:オール・スター・バンド名義では、3年ぶりの来日です。調べてみたら、初来日は1989年です。

店番  :30年も前なんだ…。

北中さん:ベルリンの壁が崩壊して東西冷戦が終わり、平成がはじまった歴史的な年だったんですね。そのときの顔ぶれは、ザ・バンドのレヴォン・ヘルムとリック・ダンコ、イーグルスのジョー・ウォルシュ、ニューオーリンズのピアニスト、ドクター・ジョンなど、通好みのメンバーでした。その後も何度もオール・スター・バンドでワールド・ツアーを行なっていて、10年代に入ってから3度目の来日です。

2017年のオール・スター・バンド。左端のグレッグ・ローリー(Key)、左から二人目のスティーヴ・ルカサー(G)、右から二人目のグレッグ・ビソネット(Ds)は今回の来日公演にも参加。Photo: Rob DiCaterino

3年ぶりとなる今回の来日公演のメンバーは…

店番  :ポール・マッカトニーのようには騒がれませんが、けっこうな回数ですね。今回はどんな顔ぶれですか?

北中さん:TOTOのスティーヴ・ルカサー(ギター)、サンタナやジャーニーを支えたグレッグ・ローリー(キーボード)、アヴェレージ・ホワイト・バンドのヘイミッシュ・スチュワート(ベース)、メン・アット・ワークのコリン・ヘイ(ギター)、TOTOやカンサス関係のウォーレン・ハム(サックス)、サンタナやデイヴ・リー・ロスと仕事をしたグレッグ・ビソネット(ドラム)となっています。ヘイミッシュ・スチュワートとコリン・ヘイは、オール・スター・バンドのメンバーとしての来日は今回がはじめてです。

店番  :パフォーマンスの派手さよりは音楽を重視した顔ぶれという気がします。

北中さん:音楽性重視ですが、マニアックというわけでなく、ヒット曲のある人を招いて、バンドも観客も楽しめるコンサートになるように考えていますね。

2月のTOTO来日公演も素晴らしかったスティーヴ・ルカサー(左) Photo: Rob DiCaterino

リンゴの曲だけじゃない!ヒット曲満載なライブの見どころは?

北中さん:彼自身ビートルズ時代の「イエロー・サブマリン」や「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」だけでなく、ソロになってからも「想い出のフォトグラフ」や「ユア・シックスティーン」などヒット曲を出していますが、短い曲が多いので、オール・スター・バンドのメンバーにも代表的なヒット曲を歌ってもらって盛り上がれるように工夫しているのでしょう。

店番  :他のメンバーはどんな曲をやってくれそうですか?

北中さん:スティーヴ・ルカサーがいるのでTOTOの「アフリカ」や「ロザーナ」は当然聞けるでしょう。グレッグ・ローリーはサンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」や「Oye Como Va(僕のリズムを聞いとくれ)」かな。ヘイミッシュ・スチュワートは「ピック・アップ・ザ・ピーシズ」、コリン・ヘイは「ダウン・アンダー」といったところじゃないでしょうか。参加メンバーはだいたい2、3曲ずつと決まっているようです。。

店番  :洋楽ポップスのファンなら知ってる曲が多いですね。

北中さん:70年代から80年代にかけてのヒット曲を次から次へ円熟味のある歌と演奏で味わえるから、ゴージャスなコンサートです。リンゴは曲によってマイクを持ったり、ドラム・セットに坐ったりするでしょう。いま78歳ですが、たくさんの曲でドラムを叩き続けているのはすごいですね。彼はベジタリアンだそうですが、体力と食事は関係ないということなんでしょう。

メン・アット・ワークのコリン・ヘイ(G) Photo: John Begalke

ドラムを叩きながら歌うロック・スターの先駆者

店番  :彼のドラムはシンプルだけど味がありますね。

北中さん:ビートルズの演奏は、彼の安定したドラムのノリに支えられていました。中期の実験的な曲では、曲に合わせて簡潔だけど実に多彩なリズムを工夫して叩いていました。
ドラマーはふだん縁の下の力持ちなので、ドラム・ソロのときだけ派手に演奏するタイプの人が多いんですが、ビートルズ時代の彼はそこに坐っているだけで絵になる存在感がありました。

彼はロック・バンドでドラムを叩きながら歌ってスターになった最初の人なんです。

店番  :たしかにビートルズの映画『ア・ハード・デイズ・ナイト』を見ても、彼に対するファンの声援がすごいですね。

北中さん:他の3人は2枚目半を演じられる2枚目でしたが、彼は3枚目的な人気があり、映画俳優もやっていましたね。ドラムについて、何かの記事で読んだことがありますが、左利きなのに右利きの人向けのドラム・セットの配置を使い、革の張りを低めにして叩いているうちに、手数が少なくなったそうです。スティックの持ち方も独特でした。ジェネシス時代にドラムを叩きながら歌っていたフィル・コリンズはリンゴから影響を受けたと言っていました。

手数の少ない、引き算のグルーヴが魅力 Photo: Rob DiCaterino

リンゴの温かい人柄がにじみ出たステージに期待

店番  :他のメンバーのバックでどんなドラムを叩くのか、注意して聞くのもおもしろそうですね。

北中さん:ですです。オール・スター・バンドのツアー自体は、スポーツから音楽まで幅広く手がけているプロモーターの発案ではじまったものですが、華美な演出をしないで、いつも音楽にすべてを語らせるコンサートに徹しています。それはリンゴの意向なんでしょうね。少し前のツアーの映像を見ても、バンドをはじめたばかりの少年に戻ったような表情で演奏しています。

店番  :みんな演奏が楽しくて仕方がないバンド小僧みたいな顔をしていますね。

北中さん:去年アメリカをツアーしたとき、リンゴは「素晴らしいミュージシャンと素晴らしい曲を演奏できるんだからこんなに嬉しいことはない。お客さんはみんな優しくて、毎晩演奏するたび、大騒ぎしてツアーをやってよかったと思う。これは平和と愛のフェスティバルなんだ」と語っていました。
そんな気立てのよさも彼の人気の理由なんでしょうね。

音楽の楽しさを再確認させてくれるライブ・パフォーマンスが魅力です Photo: Focka

ゴールデン横丁の仲間たち | 北中 正和 (きたなか まさかず)

https://goldenyokocho.jp/articles/669

1946年、奈良県生まれ。J-POPからワールド・ミュージックまで幅広く扱う音楽評論家。『世界は音楽でできている』『毎日ワールド・ミュージック』『ギターは日本の歌をどう変えたか―ギターのポピュラー音楽史』『細野晴臣インタ ビュー―THE ENDLESS TALKING』など著書多数。

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