
■2輪の世界で名を知らしめたホンダ初の普通乗用車S500
・モデル名 :S500
・世代/形式:
・メーカー名:ホンダ
・販売時期 :1963年~1964年
・生産台数 :約500台
時計のように精密な、日本初の水冷DOHCエンジンを搭載
日米初のテレビ中継の実験が成功し、アニメ『鉄腕アトム』の放送が開始された1963年(昭和38年)に、ホンダ初の四輪車S500は誕生しました。それまでのホンダは、世界グランプリで頂点を極めるなど、2輪の世界で確固たる地位を築き上げ、“世界のホンダ”として名を轟かせていました。
四輪部門への参入は創業者である本田宗一郎の長年の夢でもあり、それを具現化したのがS500!
45万9000円というオープン2シーターのスポーツモデルとしては驚くほどの低価格で販売されました。ちなみに同時期に発表された軽自動車のスポーツカーである、S360は発売にはいたりませんでした。
エンジンは排気量531ccの直列4気筒の4サイクルで、水冷式のDOHCを日本車として初めて採用。各気筒にCVキャブレターを配置し、等長エキマニ、アルミ製エンジンブロックを採用し、最高出力は44ps/8000rpmの超高回転型エンジンでした。
4速MTと675kgという軽量ボディも相まって、ワンクラス上のスポーツカーを凌駕する加速性能を誇り、最高速度は130km/h以上を達成。
S500には二輪のメカニズムもふんだんに取り入れられ、たとえばドライブシャフトではなく、左右それぞれをチェーンで駆動するFRドライブを使うなど、ホンダ独自のアイデアが詰まっていました。
輸出も考えられていたS500ですが、海外で勝負するにはパワーが足りないということで、排気量をアップさせたS600、S800へとバトンを渡すのでした。

クイズ☆エンスーとらのあな

最近、CS放送のレストア番組を毎週録画して欠かさず見ているIT。
おやじ達にアテられてすっかり旧車に興味深々になってきたITといっしょに、マニアックなクイズに挑戦しましょう!
【問題】
ホンダ初の四輪乗用車として発売されたS500。当時の売出価格は本文にもあるように45万9千円でしたが・・・当時としては異例中の異例、ある画期的な方法で価格が決められました。その方法とはいったい?
・新聞で「価格クイズ」を出題し、その応募結果をみて決められた
・原価を積み上げていって、一定の利益を乗せた価格に決められた
・北米に輸出し1,275ドルで売る計画に合わせて邦貨換算で決めた
倶楽部ミーティング
ミノ:ホンダ初の乗用車S500は、もうヘリテージカーだね。
IT:走ってるのも中古車で販売しているのも見かけませんねww
ミノ:さすがにこのあたりになるとねえ・・・そうそう、東京オートサロン2018で初めて開催されたBH AUCTIONっていうのがあったんだけど、そこではS800が850万円で落札されたんだってね。
さらに手数料10%かかるから935万円だってさ。
IT:Σ(´∀`;)
まあでも、S800は1000台以上販売されていたのに対して、S500は半分以下の500台だから…さらに希少価値があるでしょうね(゚A゚;)ゴクリ
S600やS800は中古車でもそこそこ見つかるけど、S500は出回ってないですね。
ミノ:残念だなぁ。売ってたら現金で買おうと思ったのに!
IT:えっ? いつものラジコンやモデルカーだというオチじゃなくて?
ミノ:先に言うなよなぁ。
IT:軽自動車になりますけど、S660っていう手もありますよ。
ミノ:悩むなぁ(´へ `;) う~~ん
IT:悩んでいるポイントは、車種じゃなくて金額のことですか?
ミノ:どう考えてもそっちのほうが大きな悩みだろ・・・ガクッ
(゚ω゚)チーン

【回答】
・新聞で「価格クイズ」を出題し、その応募結果をみて決められた
1963(昭和38)年6月16日の新聞で「価格クイズ」として市場調査が行われました。
最も応募が多かったのは「48万5千円」だったのですが、さらにそこから3万円弱下げて45万9千円に設定されたのだそう。
夢のスポーツカーを、庶民がリアルにイメージできるような値段で出すことにこだわったようです。