
■クラウンの車格を与えられたスポーツクーペ
・モデル名 :ソアラ
・世代 :初代(Z10型)
・メーカー名:トヨタ
・販売時期 :1981年~1986年
今回の車は、第2回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した初代ソアラです。誕生したのは1981年のバブル目前。ちょうど日本が豊かになりつつあるタイミングで、大人が乗るラグジュアリークーペとして発売されました。
ところが、使い勝手が良いとは言えない2ドアクーペに、広いとは言えない後部座席、5人乗るには無理がある室内などの理由から、ターゲットであった中高年層には不人気で、なぜか若者の憧れの車になったのです。当時は“上流階級の車”という意味がある、ハイソカー(ハイソサエティーカー)がブームで、メルセデス・ベンツやBMWには手が出せないものの「高級感のある車に乗りたい」という若者の気持ちにフィットしたのかもしれません。
初代ソアラが発売されていた80年代は、女性にモテるためには車は必須アイテム。プレリュードやシルビアなどはデートカーとして人気を博していました。そのなかでもソアラは、スポーティさを感じさせるロングノーズ、2ドアクーペで、さらに直線的で角ばったラインで構成される気品のあるフォルムで人気があり、デートカーの中でひとつ頭が抜けていました。
デートカーのイメージが付きまとうものの、パワーも十分。パワートレインには、5M型エンジンをDOHCにした直列6気筒を採用。上から見るとV12気筒に見える不思議なヘッドをしていました。排気量も2000cc、2800cc、3000ccと3つのエンジンを用意。開発にあたっては、「ドイツのアウトバーンを時速200kmで巡行できる」ということを重視。そのため、専用のブレーキや四輪独立懸架式サスペンションを与えられ、当時としては抜群の動力性能を誇りました。日本車初のベンチレーテッドディスクを採用したグレードもありました。
ソアラはハイテク機能を搭載していたこともトピックで、タッチパネルで操作できるオートエアコンや、国産車では初採用となったデジタルメーターの「エレクトロニック・ディスプレイメーター」など、見たこともない装備が満載でした。当時は“デジタル”というワードが最先端をイメージさせるもので、これらのアイテムが乗せた女性の気持ちも高めるのでした。
また、エンブレムにも特徴があり、伝説の生き物である〇〇〇〇〇がグリルに鎮座。ライオンに翼をつけた感じの生き物で、たとえるならば、ライオンが立ち上がるようなポーズをとっているプジョーのエンブレムの、翼あり版といった様子。そのため、初めてみた人のなかには、どこのメーカーの車かわからないなんていう人もいたとか。
ヨーロッパの高級車に追いつけ、追い越せという狙いがあった初代ソアラですが、輸出されたのは3代目になってから。3代目にレクサス・SCとして販売され、4代目発売後、まもなく日本でレクサスブランドが開業したことに伴い、ソアラブランドは残念ながら消滅するのです。
クイズ☆エンスーとらのあな

おやじ達にアテられてすっかり旧車に興味深々になってきたITといっしょに、マニアックなクイズに挑戦しましょう!
【問題】
文中にもあった、ソアラのグリルに装着されている「伝説の生き物」のエンブレム。
この伝説の生き物、何ていう名前?
・グリフィス
・グリフィーヌ
・グリフォン

倶楽部ミーティング
ミノ:誰がこの原稿書いたんじゃ!まるでソアラのおかげで女性にモテたような書きっぷりだヾ(´ε`;)ゝ
ポン:でも実際にバブル期前はそんな感じだったんじゃないの?
私はまだこの世に誕生していないので知りませんが(-_☆)キラーン
ミノ:う~ん、それは否定できない・・・いい車に乗っているだけでモテたのは確かだね。
「女子大生ホイホイ」なんて言葉もあったくらい。
ポン:それ言ってるのミノさんだけじゃないですかw
今は車に乗っているだけではアドバンテージにはならないし、高級輸入車ともなると、マンションが買える値段にまでなっているからハードルが高すぎますよ~
ミノ:もう今はそういう目的でクルマに乗る時代じゃないねw
ポン:納得w
ちょっと調べてみたら、初代ソアラって当時の価格で300万円近くしたんですよね?
それで、いま中古車を探しても300万円もするのもあるから、人気は衰えてないのが不思議です。ASKの物件もあるし!
ミノ:80年代に人気があった車は、ネオクラシックカーとかヤングタイマーって呼ばれていて、いま高値で取引されているんだよね。
ASKなのは、価値がわかる人だけ対象にしているってことだよ。
ポン:じゃ、ゴールデン横丁もある意味ASKですかね?w
ミノ:オイオイ、ASKは要相談っていう意味だぞ。
スタートしたばかりのこのコーナーに何か問題でもあるってのか?(´・ω・`;A)
ポン:いえいえ、かなり注目されているそうで何よりですw
【回答】
・グリフォン
グリフォンは上半身と前足が鷲または鷹、下半身はライオンという想像上の動物です。
黄金を発見し守るという言い伝えから、「知識」を表す図像として用いられました。
また鳥の王・獣の王が合体しているため、「王家」の象徴とも言われています。
グリフォンには天上の神々の戦車を引くという役割があります。そのため同じように戦車を引く馬をライバル視していて、時には喰ってしまうという伝説もあります。
ここでいう馬って、どの車種をさしている隠喩なんでしょうね。