「えもん」ってなんだよ?ハンガーはかつて、衣紋掛けと呼ばれていた

ハンガーとは、衣服などを吊り下げて保管する道具の総称。コートを掛けようが、トレーナーを掛けようが、ジーパンを掛けようが、ハンガーはハンガーである。
いまやすっかり定着しているハンガーだが、かつては「衣紋掛け(えもんかけ)」と呼ばれていた。ゴル横読者のオヤジ世代であれば、衣紋掛けで育った人も多いのではなかろうか?

衣紋とはすなわち着物のことで、いわゆる和服を掛けるハンガーは現在でも衣紋掛けと呼ばれているのだが、世代によってはハンガー全般を指した表現になる。
これを思わず言ってしまうと、その衣紋掛けというエモい響きも相まって、ナウなヤングをドン引きさせるくらいのノスタルジーを引き起こすから、気をつけろぉ?
死語解説:衣紋掛け(えもんかけ)[名詞]
ハンガーのこと。
特に和服用のハンガーのことを指す。袖を通す部分が水平になっており、浴衣などを吊るすのに大変便利!
ゴル横読者のオヤジ世代なら、使っていたというよりは親や祖父母が使っているのを聞いて覚えたという人がほとんどじゃなかろうか。ハンガーより先にこの言葉を知ってしまうと修正が難しくなってしまう……(;´∀`)

その「死語」使ってみよう
【例文1】
~合コンにて~
男A:ゴールデン商社のマスオです!
男B:同じくアナゴです!
ポン:はじめましてぇ。ポンちゃんですぅ(´∀`*)ウフフ
山葵:はじめまして! 山葵です♪
ポン:あ、コート掛けときますよ? 山葵、衣紋掛け取って?
一同:( ゚д゚)ポカーン
男共:(((¬_¬;)
ポン:(´・ω・`)

かわいいポーズで取り繕っても「衣紋掛け」以降のリカバリーはもはや不可能
※写真はイメージ。ポンちゃんではありません
「衣紋掛け」が死語と化した時代背景
衣紋掛けという言葉の歴史をたどっていくと、とんでもなく長い話になりそうなので、やめておく。ではハンガーはどうかというと、どうやら定着しはじめたのは明治時代くらいのことらしい。まあ、あのころは文明開化だなんだといって、洋装をする人が増え始めたから納得しやすい。
しかし、そんな昔からある言葉なのにも関わらず、なぜ今になって死語として紹介されるのか。とっくに消えていてもいい言葉にも思うが……。
実は、原因は大戦にある……らしい(諸説あり)。この戦争によって、日本では敵性語が禁止されてしまったのだ! あ、「ストライク」を「よし」とか、「ボール」を「ダメ」とかいうヤツのことねw

今でいう言葉狩りみたいなもの
そんなわけでハンガーも当然ながらその対象となり、本来和服用に用いられる衣紋掛けという言葉がハンガー全般を指すことになってしまったのだとか。裏にこんなに重いエピソードがある死語って他にある?
衣紋掛け、エモすぎんよ……(´;ω;`)
だから、どこぞのオヤジがシレッと「衣紋掛け」って言っても、みんな生温かい目で見守ってやることにしようよ!
会長:うちの母ちゃんも衣紋掛けって言ってたなぁ、そういえば( ´―`)フゥー...
ミノ:こないだのビフテキもそうだけど、モノは同じなのに使われなくなった言葉ってけっこうあるよね。モノが残ってるだけに寂しい…。
ポン:和服用は今も衣紋掛けなんでしょ? むしろ若い子が和服用をハンガーって言ったら、これ幸いと間違いを指摘してやるわ!(ΦωΦ)フフフ…
IT:いや、そういうことするから若い子に嫌われるんスよwww
死語とかそれ以前の問題じゃないですかw
ポン:衣紋掛けではりつけにしてやろうかしら?(´∀`*)ウフフ

ツッコミは相手を選ばないと衣紋掛けで磔刑に……?
知らなくても困らない!今回出てきた関連用語
エモい[形容詞]
若者言葉。
感情が動かされたときにその感情を端的に表す際に使われる。というか、割と無差別に使われているイメージ。下手すりゃ「おいしい」すら「エモい」になるんじゃないか?ってくらい、一時期の「ヤバイ」に匹敵するくらいの広まりっぷり…。
いや、語彙力!!!!(# ゚Д゚)

現在、かつて上野公園にあった博物館動物園駅が公開中。関係ないけどヤバいぐらいエモい
敵性語[名詞]
戦時中に禁止された外来語のこと。
例えば「ニュース」が「報道」と訳されたのもこのころなんだとか…。
でも、これだけ外来語が浸透した現代では、なかなか徹底するのは難しそう。例えばiPhoneは林檎電話、とかになるのかな? スマートフォンは賢電話とか?
ゴールデン横丁も黄金横丁になっちゃうねw
