大きく開口する2ドアHTのサイドウインドウが魅力的

モデル名 :コロナマークⅡ 2600グランデ(3代目・X40型)
メーカー名:トヨタ
年式 :1979年
撮影場所 :第8回 石和温泉郷クラシックカーフェスティバル2018
ベストセラーカー・コロナの「マークⅡ」(2世)としつつも、レジャーカーや遊びグルマのイメージで押して結果的に苦戦してしまった先代の反省をうけ、トヨタが設定した開発コンセプトはなんと「堅気になろう、3代目」。
に、2代目マークⅡ(X10型、X20型)はカタギじゃなかったのか・・・と思わずズッコケてしまいそうだけど、これは「レジャーカーなどの遊び目的ではなく、正当なセダンやクーペを作ろう」という意気込みだったのだろう。たぶんそうだ。
ヨーロピアンテイストのクラシック路線

そこで採られた戦略が、当時アメリカ車で大人気だった「ヨーロピアンテイストのクラシック路線」だ。
わかったようなわからないようなコンセプトだけど、欧州車のちょい古めのクルマのイメージを求めていたのようだ。やわらかいボディラインだったり、適度にちりばめられたメッキパーツ(ギラギラ系ではない)だったり、明るい色のモケットの内装だったりがそれにあたるだろう。
当時日本ではあこがれの外車といえばまだドイツ車などの質実剛健なクルマではなく、豊かさを感じさせるアメリカ車だったのだろう。そのアメリカ車のお手本が、欧州車だったというのはなんだか回り道のようだが面白い話だ。
2ドアHTと組み合わされると実にアメリカンな雰囲気

「ブタ目」と呼ばれる大型丸2灯+内側のフォグランプは、マークⅡの印象を強くするデザインだ。
さらにこれが2ドアHTと組み合わされると実にアメリカンな雰囲気の豪華なクーペといった様相になり、人気を博したんだ。
この仕様はMX30クレシーダ・ハードトップとしてヨーロッパで販売されていたんだけど、なぜか北米には輸出されなかったようだ。やはり本家だからなのかな。
マークⅡのイメージリーダーでもある、最上位の「グランデ」というブランドはこの3代目から設定された。
なかでも2600ccのグランデは、マークⅡがはじめて3ナンバーになったモデルでもある。
後期型ではオプションで大型の衝撃吸収バンパーが選べるようになったのだけど、これはいわゆるアメリカの5マイルバンパーを装着したようになり、よりアメリカンな雰囲気が増すので人気があった。

ちなみにこの3代目のころにブランド名が「トヨペット」から「トヨタ」に移行していったので、時期によってリアトランクのロゴがTOYOPETとTOYOTAがあるよ。
姉妹車のチェイサーが設定され、トヨタオート店で販売が開始されるようになった。
3代目のマークⅡはこうやってイベントでたまに見かけることがあるけど、チェイサーはほとんど見かけなくなってしまったね。
ビスタ店で販売されたクレスタは、この後の世代で登場するよ。