ユーティリティとスタイリッシュさを両立したデザインが秀逸

モデル名 :セリカリフトバック2000GT
メーカー名:トヨタ
年式 :1976年
撮影場所 :2017トヨタ博物館クラシックカーフェスティバルin神宮外苑
スペシャリティカーの概念をはじめて日本で打ち出し、主に若者を中心に大人気となった初代セリカ。
デビュー当時は若者向けにスポーティな走りと豪華な装備、フルチョイスシステムによる「自分だけの特別な車」感を打ち出していたが、より高級路線・より高い年齢層にむけてターゲットを拡大すべく投入されたのが「リフトバック」だ。
流麗なボディラインに大型テールゲートの実用性

ダルマセリカのノッチバックボディのルーフを後ろに斜めに伸ばし、なだらかで流麗なボディラインを作りそこに大型テールゲートを作る。リアエンドはクイッとヒップアップしたダックテールになっている。
太いCピラーの下はなだらかに弧を描くショルダーライン。ノーズは延長され伸びやかなデザインに。
もうこれは当時最先端のデザイン要素がこれでもかというぐらい取り入れられて、トヨタの気合を感じるね。
しかも大型テールゲートを設けたことにより大きなラゲッジスペースとそこへのアクセス性を確保。
こうなると、カッコいいスタイルを強調しつつも「このラゲッジにたくさん荷物を積んで、レジャーに行こう」というプロモーションになるのは必然だ。
広いラゲッジにスキーやウェアを放り込んで、ダンディなナイスミドルが美しい女性を伴ってレジャーに出かける・・・これはもう、世のおやじ達はこのイメージにイチコロだったに違いない。
レジャーを楽しむライフスタイルなんて当時まだまだ夢のようだし、スペシャリティなリフトバックに乗ったらこんな生活が手に入るのかも・・・と妄想するのは世の常、男の常。
かくしてダルマもリフトバックも大人気となり、セリカは長らく男子憧れの車種名となっていったんだ。
マイナーチェンジで衝撃吸収型のバンパーに

マイナーチェンジを受けた75年以降のリフトバックは、アメリカ輸出を意識したと思われる衝撃吸収型のバンパーとなり、両端にラバーの衝撃吸収材が装備されている。
初代セリカといえば両端がクイっと上がったバンパーをイメージする人も多く、ここは好みの分かれるところかもね。もちろんどちらもそれぞれの魅力がある。
リアにある「TTC-C」のエンブレムは、「Toyota Total Clean System - Catalyst」のことで、排ガス規制に対応するための触媒を装着しているという意味だ。
当時このエンブレムを付けたトヨタ車をよく見かけるようになったのだけど、これは今でいう所の環境対応エンジン車につく星マークのステッカーのようなものだね。
