ビザなしで190カ国以上に滞在できる、日本のパスポート
海外に旅行に行く際に国籍や身分を証明するための文書。それがパスポート。
日本国のパスポートこそ世界最強と讃えられている。
なんでも、ビザなしで世界192カ国に滞在することができるパスポートは日本だけであり、国際的な信用度がとても高いパスポートなのである。
これはイギリスのコンサルティング会社「ヘンリー&パートナーズ」が行っている調査で、渡航可能な国の数を「強さ」として定期的に行っているものによるのだとか。
日本の円もそうだけど、基本的に信用度が高い国である。これは誇れるところだろう。
さて、そんなパスポートだが、歴史の始まりはなんと江戸時代にまで遡る。
1886年、パリ万博に向かった曲芸団に発行されたパスポートが初と言われている。
当時は写真もまだ普及していなかったので、画像ではなく文章で人相書きが記されていたそうな。
その後も、様々な変遷を辿ってきたパスポートだが、その軌跡を町田忍さんの諸国漫遊を支えた歴代のパスポートで振り返っていこう。
沖縄が外国だったときのパスポート

こちらの手作り感あふれる身分証明書は、町田さんが昭和45(1970)年に、沖縄に行った際に使ったもの。
沖縄に行くのになぜここまで仰々しいものが必要かというと、それは沖縄がまだアメリカだったから。
日本に返還される前には、沖縄に行くためにはこのような専用の身分証明書が必要だったのだとか。
ヨーロッパ漫遊期のパスポート

すでに現在の面影を感じるこちらのパスポートは、昭和47(1972)年、ヨーロッパ旅行を敢行した際に発行したパスポート。
ようやく見慣れたエンジのパスポートが登場

そして、最後に登場するのは昭和59(1984)年に、アメリカに行った際に発行したもの。
ちなみに、現在のパスポートは10年用がエンジ色、5年用が紺。
そして皇族や外交官が使う茶色、国会議員などが使う緑色と複数の色がある。
茶色や緑のパスポート、持ってみたいものである…。
さて、いかがだっただろうか?世界最強のパスポートと言われる日本のパスポートだが、そこに至るまでには様々な変遷があったようだ。
どんなものにでも様々な歴史があって面白いものである。
またいつかパスポートを持ってバカンスに自由に飛び立ちたいものだ。

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。