空の旅に快適さと思い出を
国内はもちろん、海外まで行こうとなると飛行機でもかなりの長時間を過ごすことになる。
そのため、飛行機のアメニティというものはなかなかに豪華だ。
特にファーストクラスともなれば、アメニティの中身はとんでもないものになるのだ。
海外の航空会社なんかだと、世界的高級ブランドのアメニティもついてきたりするというのだから驚きだ。
だが、このように選ばれたものにだけ与えられるアメニティではなく、我々庶民にも恩恵を受けることができるアメニティもたくさんあるもの。
そして、こういうアメニティこそが、ふと旅の記憶を思い返させるものなのだ。
そこで今回は、庶民文化を求めて移動も多い町田忍さんに、各航空会社が提供するアメニティの数々を紹介してもらう。
いまは絶対受け取れないアメニティ・マッチ
トイレに映画館、駅のホーム、さらには電車内やバスの中………かつてはホントにどんな場所でもタバコが吸えた。
当然、飛行機の機内だってかつてはタバコが吸えたのである。
そんな古き良き煙がモクモクしていた時代に、飛行機のアメニティとして渡されていたアイテムが、マッチである。

ご覧のように、空の旅らしく各社のロゴや飛行機の絵柄が用いられたパッケージが並んでいる。基本的にはブックマッチと言われる小型のマッチが多いが、なかにはボックス型のマッチもある。
上空1万メートルで、このマッチで火を付けるタバコはきっと特別な味がしたのではないだろうか…。
トイレにも空の旅の雰囲気を。石鹸
続いては、機内に必ず設置されているトイレにあるアメニティ。
それが、この石鹸である。
ファーストクラスだろうがエコノミークラスだろうが、人間、等しくトイレには行くもの。そこで用を足したあとに使うのはこの石鹸だ。

こちらもマッチと同じく、各航空会社のロゴがプリントされた紙に包まれているもので、持って帰っていいものだ。
ただ、なかには紙に包まれていない石鹸なんかもあり、こちらは持ち運びや保存にはあまり向かない。というか、むき出しのものはホントに持って帰っていいんだろうか?町田さんが持ってるんだし、きっといいんだろう。深くは考えないでおく。
アメニティの大定番・絵葉書

今回、トリを飾るアメニティは絵葉書。
観光地の思い出としても大定番の絵葉書は、実は機内でももらえるのだ。
町田さんによれば、だいたいは自分が乗っている飛行機を移した絵柄になっているが、パッと見たところでも、その他のデザインのものもけっこう見受けられる。
特に、ここではあえて昔の名前でいうが、スチュワーデスのグラビアのような絵葉書はなかなかにグッと来る。
この写真の人はホントにスチュワーデスなのか、それとも、あくまでイメージ写真なのか、そんな真相も気になってしまう。
ちなみに大定番の絵葉書だが、実はスチュワーデスさんに直接聞かないともらえなかったりすることがほとんど。
Webサイトなんかで機内サービスのひとつに絵葉書と書かれているので、チェックしてもらうようにするといいだろう。
飛行機を利用した空の旅は、その他の移動手段と比べてもなかなかに特別感のある旅である。その旅を彩るものとしてアメニティはけっこう思い出に残るもの。
旅行の際はどんなアメニティがもらえるか、期待してみると面白いかもしれない。

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。