再開発が進む葛飾区・金町で決意のリニューアルオープン!“温故知新”の下町銭湯『金町湯』さん

再開発が進む葛飾区・金町で決意のリニューアルオープン!“温故知新”の下町銭湯『金町湯』さん

早くも10月、行楽の秋。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、遠くへ行くのはまだちょっと気がひける…という方、お近くの銭湯はいかが?今回の舞台は東京のイーストエンド、23区で最大規模の公園・水元公園にも近い葛飾区・金町です。


葛飾区・金町の“温もりの象徴”

現在のJR金町駅南口。

現在のJR金町駅南口。
駅前には、寅さんの映画などでもおなじみの、金町浄水場にある取水塔をオブジェにしたベンチが今年7月に完成。
(左にいるのは、メソポ田宮作の非公認キャラ「ジョ~スイ・ジョー」)

再開発がどんどん進み、以前とはかなり風景が変わった葛飾区・金町駅前エリア。
その中にも、変わらぬ“下町の良さ”は随所に健在です。
JR金町駅の南口を出て、亀有方面へ商店街を7分ほど歩くと見えてくる、美しい佇まいの宮造りの建物。
こちらが、今回ご紹介する金町エリアに残る唯一の銭湯『金町湯』さんです。

現在の『金町湯』さん。

現在の『金町湯』さん。

『金町湯』さんの創業は1943(昭和18)年。
新潟出身の初代・山田清松さんが今の地に建てました。
その後二代目・勝久さんに引き継がれ、もうすぐ創業80年。
お客さんの心とカラダを癒し続けてきました。
現在は三代目・正伴さんご夫妻と四代目・新太郎さんご夫妻によって営まれています。

リニューアル前の『金町湯』さんの外観。

リニューアル前の『金町湯』さんの外観。

現在の建物は、1957~58年ごろ火災で焼けた後に建て直したもの。
それから60年以上…激動の昭和~平成~令和を経て老朽化が進み、この先どうするか!?という問題に直面しました。

その際には「廃業も視野に入っていた」という三代目・正伴さんでしたが、「後を継ぐ」と決意した息子・新太郎さんにより今年、約65年ぶりの大規模改装へと踏み切ったのでした。

コンセプトは「ニューレトロ」

四代目・山田新太郎さんと加奈さんご夫妻。

四代目・山田新太郎さんと加奈さんご夫妻。

四代目の新太郎さんは現在30歳。
「以前はテレビ番組の技術関連の仕事をやっていました」という彼は、若さ+クリエイティブな心を活かしてリニューアルに取り組み、自分が求める“理想の銭湯”を今回の施工業者・(株)エクセルコーポレーションさんへ提案していきました。

新太郎さんの希望は「古いものを活かし、かつシンプルで、落ち着く空間。みんなの心に残るような銭湯にしたい」。

すべて建て替えて「ビル型銭湯」にすることも考えたそうですが、東京型銭湯の伝統的スタイルであり、今となっては稀少で貴重な「宮造り」はこのまま残す、と決めました。

ここからは、今回のデザイン設計を担当した(株)SEED Space Design(シード・スペース・デザイン)さんによる手描きのデザインスケッチ「コミュニケーションパース」も合わせて、『金町湯』さんの“ビフォーアフター”を。

◎まずは外観

デザインスケッチと完成後の外観

デザインスケッチと完成後の外観

格調高い宮造りはそのまま活かし、夜、ライトアップした際も“映える”ように。
前を通る人たちが次々と「変わった!」「新しくなってる!」と言いながら立ち止まっていました。

◎ 玄関

かつての玄関。暖簾は中へ仕舞った状態。

かつての玄関。暖簾は中へ仕舞った状態。
タイル絵の招き猫、いい表情♡

玄関に、まさかのサプライズ番台!

玄関に、まさかのサプライズ番台!
乗っているのは、東京都浴場組合&全国浴場組合の公式キャラクター・ゆっポくん。

暖簾をくぐったら、目の前にこれまで使っていた番台がドーン。
貴重な銭湯文化遺産、こういう“展示”の仕方は世界初です。

◎フロント、脱衣所

フロント&脱衣所のデザインスケッチと、できあがったフロント。

フロント&脱衣所のデザインスケッチと、できあがったフロント。

今までの番台式をやめて、フロント式に。
玄関にあった「招き猫タイル絵」をこちらへ移設!
このタイル絵は石川県金沢市にあった九谷焼製造会社、鈴榮堂(りんえいどう)・石田章仙さん作のもの。

フロント上の欄間(らんま)は二代目ご主人のお宅にあったものを移設。
柱時計はこれまでの脱衣所にあったものをそのまま。
年季の入った電気マッサージ機、体重計もこちらに置きました。

上=リニューアル前、下=リニューアル後の脱衣所。

上=リニューアル前、下=リニューアル後の脱衣所。

脱衣所は、風格ある折り上げ格天井をそのまま残す+デザインペンダントライトを。
ロッカーは「100円リターン式」に。(入浴時には100円玉をお持ちください)

◎浴室

上=リニューアル前の浴室(男湯) 中=デザインスケッチ 下=リニューアル後の浴室

上=リニューアル前の浴室(男湯)
中=デザインスケッチ
下=リニューアル後の浴室

そして、浴室はこれぞ東京型銭湯!の「富士山ペンキ絵」を継承。
この地ならではの風景、江戸川の「金町取水塔」「矢切の渡し」なども入った新作が、中島盛夫絵師によって鮮やかに描かれました。

上=リニューアル前の浴室(女湯) 中=デザインスケッチ 下=リニューアル後の浴室

上=リニューアル前の浴室(女湯)
中=デザインスケッチ
下=リニューアル後の浴室

浴槽まわりのタイルにもご注目。

浴室タイルのアップ写真。

浴室タイルのアップ写真。

鱗型のタイルは「青海波(せいがいは)」という名がついており、“未来永劫続く幸せ、平安な暮らしへの願い”などの意味が込められているそうです。
こちらも新太郎さんのチョイス。

壁面はレンガのようになっていて、レトロモダンな雰囲気も感じます。

◎サウナ

そして、現在の『金町湯』さんには片方の浴室(以前の女湯側)にだけ、サウナがあります。

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