
死語解説:モーレツ社員[名詞]
バブル期を代表とした高度経済成長期に、会社のために身を粉にして働き続ける会社員のことを指した言葉。昭和43年の丸善石油のキャッチフレーズである「オー、モーレツ」のモーレツになぞらえて呼ばれるようになったと言われている。
時代背景
死語と化した「モーレツ社員」を現代の言葉で例えるなら「社畜」が近いだろう。
だが現代で言うところの「社畜」と「モーレツ社員」では、若干意味合いが異なる。「モーレツ社員」という言葉が生まれた昭和50年代、働けば働くほどに給料が上がった時代だった。
丸善石油の「オー、モーレツ」というフレーズになぞらえて、会社のために夜も昼もなく働く社員のことを「モーレツ社員」と呼ぶようになったという。
折しも日本はいざなぎ景気の真っ最中。
働けば働くほど給料が増えるため、このころのサラリーマンは家庭も顧みず、豊かな生活を目指して、まさにモーレツに突っ走っていたのだ。
この「モーレツ社員」は、バブル時代にも広く使われることになる。
とにかく働くことが美徳で、例えば「企業戦士」や「24時間働けますか」といったフレーズなども流行った。
とにかくモーレツに勢いのあった時代だ。
バブルが弾けて景気が後退すると、企業によるリストラが頻発。
会社への忠誠心はゆらいでいく。さらに過労死などの問題も取り沙汰されるようになり、モーレツ社員という言葉、そして存在は消えていくのであった。
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