
死語解説:お茶しない?[誘い文句]
主に男性が女性をナンパするときに用いていた常套句。
「ねぇねぇ、カノジョお茶しない?」などのように使われる。
お茶に限定しているわけではなく、とりあえず喫茶店に誘う際に用いられるので、飲むのはコーヒーやジュースの場合も十分にあり得る。
時代背景
この言葉がいつどこで生まれ、そしていつの間に死んでいったのかは定かではない。
だが、昭和の高度経済成長期ごろに、ナウなヤングたちはこぞってこの「お茶しない?」を使い、ナンパをしていた。
もちろん、ナンパだけに限定されていたわけではなく、友人とちょっとひと息入れたいときにも用いられていた。
この場合のお茶とは「喫茶店」を指す言葉であり、本当にお茶を飲むとは限らない。
なんなら結局コーヒーを飲むことが多くなるので、この言葉の全盛期のころから疑問に思う人もいたらしい。
だが、いずれにせよ本当にお茶を飲む場合であっても「紅茶」の可能性はあるが、日本茶の可能性は限りなくゼロに近い、というところがなんとも切ない。
とはいえ、お店で日本茶を出す文化は、少なくとも街中には今も昔も存在しない。
草葉の陰で千利休が泣いていそうである。