忠犬ハチ公像は忠犬ではなかった?かもしれない…

忠犬ハチ公像は忠犬ではなかった?かもしれない…

東京は渋谷の駅前にある、おそらく日本で一番有名な待ち合わせスポットであろう銅像がある。忠犬ハチ公像だ。庶民文化研究所所長の町田忍さんに、その成り立ちや珍しい姿を紹介してもらう。


モチーフは主人の帰りを待ち続ける忠犬

東京の有名な繁華街・渋谷。
その渋谷の中でも最上級の知名度を誇る銅像がハチ公像だ。
駅前にあるということで、渋谷屈指の、いや、日本屈指の待ち合わせスポットとなっている。
有名な話なので、ご存じの人も多いだろうが、この像が立てられた理由について、改めて紹介しよう。

庶民文化研究所町田忍所長によれば、話は大正15年まで遡る。
ハチ公のご主人が亡くなったあと、ハチ公はそれでも主人を待っていた駅に姿を現し続けていたらしい。

この姿を昭和7年に全国紙が美談として取り上げたことでハチ公の存在は全国に知られることになる。
初代ハチ公像はなんとハチが存命中の昭和9年に建てられている。
ハチが亡くなったのは昭和10年のことだ。
初代ハチ公像はその後、戦時下の金属供出で使われてしまったため、現在の銅像は昭和23年に再建されたものなのだとか。
亡くなってからも主人を待つ飼い犬。なんとも日本人が好みそうな美談だ。

実は意外と着替えている…ハチ公像

美談によって誕生したハチ公像だが、その後はすっかりと渋谷のシンボルとして定着。
今では待ち合わせ場所としてはもちろん、外国人観光客にすごい人気だ。
待っていた犬が待ち合わせ場所になるというのもなんだか不思議なものである。
さて、そんな人気にあやかってか、このハチ公像も案外定期的に着替えていることをご存じだろうか。
浜松町の小便小僧ほど頻繁なわけではないが、折を見ては着替えさせられており、町田さんはそんなハチ公像の姿も記録していた。
というわけで、お着替えをしているハチ公像の姿を紹介していこう。

サンタクロースに扮したハチ公像

こちらはサンタクロースに扮したハチ公像。
こういった季節モノはもはや銅像の定番とも言っていい変化だろう。
こういう一般的なコスプレ以外には、宣伝目的でのコスプレも往々にして多いものだ。

忠犬ハチ公、ハローワークの宣伝活動のひとつ

たとえばこれは、ハローワークの宣伝活動のひとつ。定年延長、再雇用促進と書かれた化粧廻しのようなものを身に付けている。

忠犬ハチ公、世界エイズデー
忠犬ハチ公、衆議院議員選挙

こちらは世界エイズデーのたすきと、衆議院議員選挙を知らせるたすきを身に着けたハチ公。
たすき姿もなかなか様になっているではないか。

忠犬ハチ公と猫

そして、この姿はなんの宣伝なのかは文字からは読み取れないが、とにかく猫が気になる。犬の忠義の見本のようなハチ公と猫。
この対比は猫の自由さをさらに強調する一枚だと言える。
それにしても誰の猫なのだろうか…。

本当にハチは忠犬なのか

そもそもハチ公の美談。
本当に美談なのだろうか。ちょっと盛ってやいないか。
実は町田さんが生きているハチ公を見た人に取材した結果によって、このハチ公のイメージを根底から覆しかねない話が明らかになっている。

それによると、ハチ公は実は主人を待っていたのではなく、近所の屋台の焼き鳥屋のお客がくれるおこぼれを狙っていたというのだ。
焼き鳥がついでなのか、主人がついでなのか。どうなのか。いや、この話はやはり忘れたほうがいいだろう。
何がついでだろうが、渋谷の街で待ち続けたという事実はたしかにあるのだ。それでいいではないか。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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