浜松町のファッショニスタ!小便小僧

浜松町のファッショニスタ!小便小僧

東京は浜松町駅にいつの頃からか存在し、忙しなく行き交う通勤客を見守ってきた小便小僧の像をご存じの人も多いだろう。毎月1回着替えるというその小便小僧の歴史を庶民文化研究所所長の町田忍さんの記録から紐解いていく。


いつからいるの?小便小僧

雨の日も風の日も雪の日も、猛暑の日も、そして、ステイホーム期間でも…毎日変わらず小便を流し続ける小便小僧像。東京、浜松駅のシンボルだ。
この小便小僧、毎月季節や時事に沿った服装にお着替えすることで有名だが、いったいいつから浜松町駅の通勤客を傍目に小便しているのだろうか?
町田さんにその歴史を尋ねてみた。

町田さんによると、小便小僧が浜松町に降り立ったのは、昭和27年のこと。
鉄道開通80周年を記念して、国鉄の嘱託歯科医師だった小林光という方から寄贈されたものらしい。
つまり、あの小便小僧は69年間、駅のホームで立ちションをし続けていたということらしい。

ちなみに小便小僧はベルギーのブリュッセルが起源と言われており、敵軍に向けて放尿し、味方を鼓舞することで勝利に導いた幼い支配者の姿とも、爆弾の導火線を小便で消火した英雄の少年の姿とも言われているそうな。
まさか小便小僧にそんな逸話があるとは…。

いったいいつから着替えてる?ファッショナブルな小便小僧

謎が謎を呼ぶ小便小僧像だが、ではいったいオシャレな着こなしを披露するようになったのはいつ頃からなのだろうか?
こちらの疑問にも、町田さんが解答してくれた。
なんでも昭和30年にキューピー人形用の服を着せられたことがそのはじまりで、着せたのは駅の利用者の名もない女性であったらしい。
その後、地元の手芸グループが引き継ぎ、今日まで月一度のお着替えを続けているそうだ。

小便小僧

こちらは運動会仕様の小便小僧と、夏らしくひまわりを抱えた小便小僧の姿だ。
ちなみに運動会仕様のものは1990年9月に撮影されたもので、記念すべき町田さんによる小便小僧定点観測の初記録のものらしい。

町田プレゼンツ:小便小僧コレクション

小便小僧コレクション

定点観測で記録された小便小僧の数々。
けっこう時節に応じたコスチュームも多い。
右上のものは1995年の阪神淡路大震災に合わせて黄色い防災頭巾姿、その隣は渥美清さんの訃報に合わせてフーテンの寅さん姿である。
その他はオリンピックやワールドカップ、ハロウィンや還暦など、まさに七変化である。

小便小僧コレクション

お次は後ろ姿のコレクション。金次郎よろしく薪を背負った姿や、クリスマスということでツリーを背負った姿、祭の文字が小粋な法被姿などなど…後ろ姿もまた乙なのが小便小僧である。
それにしてもここまで凝ったものを毎月作るというのだから、手芸クラブには尊敬の念しかない。しかも、基本的には同じ服は着ないというのだからすごい。

小便小僧コレクション

こちらはもはやすでに貴重な姿となっている裸の小便小僧の姿や、浜松町駅のトイレのタイル絵。トイレには確かにふさわしい小便小僧だが、それだけ「浜松町駅といえば!」というシンボルになっている現れでもあるだろう。
そして、下段の右は手芸クラブメンバーが小便小僧を着替えさせている姿。ちょっとしたことではあるが、毎日働く通勤客の心をほんのり癒やすこの取り組みはこれからもずっと続いてもらいたいものである。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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