新小岩駅北口エリア唯一の銭湯・千代の湯さんが営業終了へ

新小岩駅北口エリア唯一の銭湯・千代の湯さんが営業終了へ

東京下町エリアの銭湯にはチャリで入りに行くことが多い自由業者が、愛してしまった銭湯のことをご紹介していくこのコーナー。 今回は、終わってしまう前にぜひ行っていただきたい葛飾区の銭湯さんを。


昭和な商店街のそばに♨

JR新小岩駅の北口広場。

JR新小岩駅の北口広場。
この数年でとてもキレイになりました。

「小岩」と名がつく鉄道の駅には「小岩」と「新小岩」と「京成小岩」があり、それぞれに「葛飾区エリア」と「江戸川区エリア」があります。
今回ご紹介するのは、JR新小岩駅北口に広がる葛飾区の東新小岩。

昭和49年に発売され大人気となった『モンチッチ』。

昭和49年に発売され大人気となった『モンチッチ』。
そのメーカー、株式会社セキグチさんの本社が葛飾区西新小岩にあるのです。

新小岩駅の、長~いアーケード(ルミエール商店街)のない、どちらかといえば地味なほうの出口から7~8分歩くと、ゴル横読者さんにはうれしい雰囲気の商店街『みのり商店会』があります。

昭和の香りがうれしい『みのり商店会』。

シャッターが閉まっているお店も多いですが…。
昭和の香りがうれしい『みのり商店会』。

その商店街の近くにあるのが、『千代の湯』さん。
昭和31年に創業した銭湯です。

中央奥に見えるのが『千代の湯』さん。右側の家は、以前は酒屋さんでした。左側は、10年ほど前に閉店した飲み屋さん。

中央奥に見えるのが『千代の湯』さん。
右側の家は、以前は酒屋さんでした。
左側は、10年ほど前に閉店した飲み屋さん。

『千代の湯』さんの玄関。

『千代の湯』さんの玄関。
営業時間中、店頭にはお客さんの自転車がズラリと並びます。
(屋号が書かれた看板は右側にもあったのですが、割れちゃったそうです。)

閉店した飲み屋さんの看板も、展示物のようにおいてあります。

閉店した飲み屋さんの看板も、展示物のように置いてあります。

『千代の湯』さんの脇の道も、味わい深いのでご紹介。

『千代の湯』さんの脇の道も、味わい深いのでご紹介。
旧飲み屋さんの窓のところにあるのは…。

おめでたい神様たちの飾り物。

おめでたい神様たちの飾り物。
いちばん下は顔が破壊されたようで、両耳だけが残ってます…(◎▽◎;;;)

そのとなりにはコインランドリー。

そのとなりにはコインランドリー。
外観は年季入ってますが、洗濯機と乾燥機は少し前に買い替えたばかりだそうです。

コインランドリーの中。

コインランドリーの中。
こちらにも昭和レトロな広告看板が。

脇道のブロック塀にはこんな看板も。

脇道のブロック塀にはこんな看板も。
本「飾」防犯協会になっちゃってます…。

脇道を通って、犬の散歩へ出かけるおじさん。

脇道を通って、犬の散歩へ出かけるおじさん。
(知らない方です…。)

『千代の湯』の、現在のご主人は二代目・田中昌秀さん(82)。
初代は田中さんのお母様。
お父様は戦争で逝ってしまわれたそうで、「ひとりになった母親が、苦労してこの銭湯を建てた」のだそうです。
お母様の名前が「千代」さんで、そこから『千代の湯』が屋号になりました。

昌秀さんは高校卒業後すぐに家業を手伝い始め、27歳の時に現在の女将さん・佐智子さんとご結婚。
以来、ふたりでこの銭湯を切り盛りしてきました。

意外!トロピカルな浴室

昭和51年に中普請(なかぶしん=銭湯内部の改装)をして、今の姿に。
それまで浴室は“王道”の富士山ペンキ絵だったのですが、ご主人のチョイスで大胆にチェンジ。

いかがでしょうか、この浴室。

いかがでしょうか、この浴室。
初めて行った時、ワタシは外観とのギャップに驚きました。

カラフルな天井+ヤシの木が並ぶ写真パネルでトロピカルな空間を作り、さらに人気の銭湯となりました。

あざやかな色の天井。

あざやかな色の天井。
これを見てるとワタシは幼少の頃、親に連れて行ってもらったサーカスを思い出し、いい気分になるのです。
(墨田区の松の湯さんや電気湯さんなどの天井も、カラーリングは違いますがこの“あざやか系”です)

いいお湯を、沸かし続けて60有余年。
地元の皆さんを中心に長年愛されてきましたが、ご夫妻の体調不良と建物・設備の老朽化により、今年5月末日で営業を終了することとなりました。

「あと2~3年できるかな、と思ってたんだけど…。身体も設備も、もう限界。仕方ないね。」と笑顔で語るご主人さん。

たいへん残念でならないのですが…ワタシとしましては、魅力あふれる千代の湯さんの姿を、営業終了前に皆さまにぜひお伝えしたいと思い、ご主人さんへお願いして写真を撮らせていただきました。

残された日々も笑顔で

浴室と脱衣所の間のガラスには、艶っぽいお姉さんと魚たち。

浴室と脱衣所の間のガラスには、艶っぽいお姉さんと魚たち。
(こちらは女湯)

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