
死語解説:インド人もびっくり[キャッチコピー]
エスビーカレーのテレビCMコピーとして利用された言葉。
カレーの本場・インド人も驚くおいしいカレーという意味で作られた。
転じて、驚きを表す尺度として用いられるようになった。
時代背景
この言葉が生まれたのは昭和39年のこと。
エスビー食品「特製エスビーカレー」のテレビCMのキャッチフレーズとして世に広まっていった。
「インド人もびっくり」という言葉のインパクトも去ることながら、ターバンを着けた世間一般がイメージするインド人に扮した若かりし日の芦屋雁之助のインパクトがなによりも強烈だった。
このインパクトマシマシなキャッチフレーズはあっという間に社会を席巻。
流行語になり、驚きの表現の一種として、世間に親しまれることになる。
一般的には死語ではあるものの、一部のカレーの分野においては今なお影響力のある言葉である。
ところで、ターバン姿というのが日本人にしてみるとインド人のステレオタイプと思われているが、実際のところ普段からターバンをしているインド人は全体の2%ほどということをご存じだろうか?
ターバンを着けるのは、シーク教という宗教に帰依する人たち。このシーク教の信者数がおよそインド国民の2%と言われている。
しかも、日本のカレーはインド風というよりは欧風に近く、なんだったらさらに改良された日本独自のものとなりつつある。
インドでも珍しいターバンを着けた謎のインド風外国人が描かれ、インド式とは似ても似つかない日本らしいカレーが出てくるのだから、そりゃあインド人も驚くはずである。
………なるほど、それで「インド人もびっくり」なのか…?