昭和の銭湯建築 東京・月島湯

昭和の銭湯建築 東京・月島湯

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回はもんじゃの街として有名な東京は月島にあった銭湯、月島湯をご紹介!


もんじゃの街の古き良き銭湯

月島湯

東京・月島。
もんじゃ焼きで有名な街だ。
だが、今でこそ軒を連ねているもんじゃ屋さんだが、町田さんによると36年前に訪れたときはもんじゃ屋はまだ数軒ほどしかなく、お客さんも地元のお客さんがほとんど、という状態だったらしい。
そして、そんな場所に銭湯は6軒という、もんじゃ屋さんに並ぶほどの数が営業していたらしい。銭湯の街とは言わないが、もんじゃの街でもなく、まだ普通の下町だったということだ。

そして、このイラストである。
モデルとなった銭湯は、月島湯というらしい。
実物は比較的小ぶりだが、東京ならではの宮造りの堂々とした佇まいだ。
戦前から営業をしていたらしく、町田画伯が訪れた36年前の時点でもなかなかの歴史があった銭湯と言えるだろう。

ところで、東京の銭湯が宮造り、いわゆる神社などのような豪勢な造りになっている理由をご存じだろうか。
江戸時代に隆盛を極めた銭湯だが、そのころはまだ今のような宮造りではなく、割と質素な造りだったという。

宮造りの銭湯が作られ始めたのは、関東大震災の後だ。
震災で多くの銭湯を失った東京。
しかし、銭湯は庶民にとって必要な場所。
ということで、再建の依頼が大工に舞い込むわけだが、その大工が宮造りの技術を持っていたらしい。

大工は震災で疲弊した東京を励ます意味を込めて、宮造りの銭湯を造ったところ、それが評判となり、またたく間に広がっていったということのようだ。

さて、そんな歴史ある宮造りの月島湯だが、町田さんのお気に入りは入り口上のいわゆる妻側部分。イラストでもわかるが漆喰細工で鯉のような魚の模様が描かれているところ。
こうした細かい部分へのこだわりは、いかにも江戸っ子といった風情を感じるものである。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

関連する投稿


シボレーインパラ 1959

シボレーインパラ 1959

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回は古き良きアメ車の雰囲気を色濃く感じるシボレー・インパラをご紹介。


日本橋 麒麟像

日本橋 麒麟像

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回は日本の中心、日本橋の象徴となっている麒麟像をご紹介。


意外と家主の性格が出る…個性豊かな玄関前郵便受けコレクション

意外と家主の性格が出る…個性豊かな玄関前郵便受けコレクション

新聞やチラシ、そして心のこもったお手紙などなど…家に届く郵便物を受け取るための郵便受け。一軒家の場合には案外凝ったデザインのものもしばしば…。今回は庶民文化研究所 町田忍所長の興味を引いた郵便受けコレクションをご紹介しよう。


銭湯研究の町田忍がジオラマに込めた銭湯愛とは

銭湯研究の町田忍がジオラマに込めた銭湯愛とは

銭湯文化研究の第一人者で日本銭湯文化協会理事を務める庶民文化研究家の町田忍さん。自身が代表となっている庶民文化研究所で、昭和の時代を感じさせる懐かしい収蔵品の数々を紹介したり、さまざまなジャンルの「その道の第一人者」との交流から庶民文化を深堀りしたりと、文化研究活動は多岐に及ぶ。今回紹介する銭湯研究も人脈交流から実現した成果だ。朝ドラ「梅ちゃん先生」にも使われた精巧なジオラマ作製で知られる山本高樹さん。銭湯の巨匠 町田忍さんとジオラマの巨匠 山本高樹さんがタッグを組んだ銭湯ジオラマがそれである。今回は両巨匠だからこそ作製し得た銭湯ジオラマの数々を自ら紹介してもらう。


ボンネット型消防車

ボンネット型消防車

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回は働く車、消防車の中でも懐かしい、ボンネット型消防車をご紹介しよう。


最新の投稿


500 | アバルト - トレードマークのサソリがアツい走りをイメージさせる

500 | アバルト - トレードマークのサソリがアツい走りをイメージさせる

イタリアの国民車フィアット500をカリカリにチューニングして人気を博していたのが、カルロ・アバルト率いるアバルト社だ。


昭和 死語の世界 ~ダビング~

昭和 死語の世界 ~ダビング~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。今回は好きな音楽や映画が見たいと、誰もが躍起になった行為、「ダビング」をご紹介しよう。


シボレーインパラ 1959

シボレーインパラ 1959

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回は古き良きアメ車の雰囲気を色濃く感じるシボレー・インパラをご紹介。


【クルマニアックイズ】281本目

【クルマニアックイズ】281本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!


【クルマニアックイズ】280本目

【クルマニアックイズ】280本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!