R31スカイラインをベースにした、よりスタイリッシュな大人のクーペ

・モデル名 :レパード2000XS-Ⅱ V6 JETTURBO(2代目・F31型系)
・メーカー名:日産
・年式 :1989
・撮影場所 :お台場旧車天国2017
・撮影者 :会長
港町が似合う?セクシーでダンディなクーペ

日産の人気車種だった歴代のブルーバードはラインナップが幅広く設定され、高性能版である上級グレードが設定されていた。
だが昭和54年(1979年)に発売された910型ブルーバードには上級グレードが設定されなかったため、事実上それの後継車として新設されたのが、初代レパードだ。
おそらくローレルやスカイラインなど並ぶ上級車種のラインナップ拡充という意味もあったであろう。初代レパードは、910ブルーバードをストレッチしてV6を積んだ輸出モデルの「マキシマ」(G910型)をベースに作られた。
そしてその流れを受け、2代目レパードはR31型スカイラインと基本コンポーネントを用いて、より高級感やパーソナル感を強調する路線で誕生した。
ラインナップは2ドアクーペのみとなり、完全にトヨタ・ソアラを仮想敵として設定しているかのように見えた。

ソアラを揶揄して、「女子大生ホイホイ」だとか、まるで最強のデートカーかのように評する言い方がされることがある。
対してレパードは、優男路線ではなく、どこか不良っぽさというか骨太な「男っぽさ」みたいなものを湛えた印象を持っているようだ。
どこかそう、カッコイイんだけど、あぶない雰囲気というか。
それはやはり、優等生的なイメージのトヨタに対して、ちょっと不良っぽさとか、走り重視のイメージだとかが強い日産だからだろうか。
あるいは、ベースとなったR31スカイラインの持つイメージが、どこからともなく匂い立ってしまうのだろうか。
2代目レパードといえば、やはり忘れてはいけないのがテレビドラマ『あぶない刑事』シリーズの劇中車としての活躍だろう。
それまでのどこか男臭い刑事モノとは一線を画した、スタイリッシュな横浜港署の刑事たち。高級スーツに身を包みさっそうとレパードに乗り込む姿は、記憶の片隅に残っているんじゃないだろうか。
もちろん日産がスポンサーだったというのはあるだろうが、あのドラマはソアラではきっと成立しなかったのではないかと思う。
横浜の港町を疾走する「あぶない」イメージのレパードは、それほどスタイリッシュで破天荒な刑事たちのイメージにピッタリだったのだ。
それはやはり、2代目レパードの持つ、ソアラとはまた別の魅力の表れなのだろう。