群雄割拠の薬局前にキャラクター合戦

佐藤製薬のマスコットキャラクターとして有名なオレンジ色の象、サトちゃん。
今でこそ路面にマスコットキャラクターを置く薬局は少なくなったが、昭和の時代はサトちゃんやら、ケロちゃんコロちゃん、ピョンちゃんと、薬局前は激戦だった。
そんな激戦薬局前ポジション対決の雄がサトちゃんである。
サトちゃんが誕生したのは昭和34(1959)年4月10日のこと。
当時はまだ名前がなく、同年の10月9日に、約46,000の応募の中から決定したらしい。
名前はテレビやラジオなどで大々的に発表されたというのだから、その注目ぶりもわかるというものだ。
昭和57(1982)年には、妹となるサトコちゃんも誕生し兄妹そろって薬局に並ぶのであった。ちなみにサトコちゃんは兄とは異なり体がピンク色である。
庶民文化研究所のサトちゃん・サトコちゃんコレクション
サトちゃんのバリエーションは思った以上に豊富。
今回は庶民文化研究所収蔵のサトちゃんコレクションの中から、ちょっと珍しいサトちゃんの姿をご紹介していこう。

こちらは看護師姿のものと、招き猫のように小判を持ったもののようだ。
看護師のほうはサトちゃんではなく、妹のサトコちゃん。

続いては探検隊風の衣装を着たものと、おそらくキユーピーのキューピーちゃん風の姿をしたサトちゃん(サトコちゃん?)である。こういったコラボも行えるなど、歴史あるキャラクターながら、意外にも自由度は高いのかもしれない。
サトちゃんが象をモチーフにすることに決まったのは、長寿でなおかつ万人に親しまれている動物ということが理由らしい。なにかと体調が気になる時代なので、今こそサトちゃんに元気を分けてもらいたいものである。

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。