デラックスさをアピールするカローラに販売は後れをとったものの、長年に渡るライバルとして切磋琢磨した

・モデル名 :サニー1000デラックス(初代・B10型)
・メーカー名:日産
・年式 :1969
・撮影場所 :2017トヨタ博物館クラシックカーフェスティバル in 神宮外苑
・撮影者 :ミノ
カローラと双璧をなす、国産小型大衆車のベストセラーカー

トヨタが小型大衆車のパブリカを世に出すと、セールスはそこそこだったとはいえ手応えを感じているのはライバル各社も察知していた。
その後各社とも700~1000ccクラスの小型ベーシックカーの開発を急ピッチで進め、続々をリリース。
日産社内でも、ダットサン110や210、ブルーバード(310型)に続く小型モデルが求められていた。
ブルーバード310型は1000ccと1200ccだったから、日産はそれより小型な車種を新たに開発した。
それが、そののち長く小排気量クラスを担う主力車種、サニーが誕生した瞬間だった。
トヨタのカローラと並んで、小型で安価だが信頼性や経済性に優れた高品質な大衆車として、国産車のリーダーであり続けたのは誰もが知るところだ。

初代サニーがデビューした当時、各社がさまざまな大規模新車発表キャンペーンを張るのがブームになっていた。
それだけ自家用車が人々の耳目を集めていたということであるが、当時日産が行った「新型車の車名公募キャンペーン」はなんと約800万通もの応募があったという。
その中から選ばれたのが、栄えある『サニー』の名前だった。
当時、その公募で決まった車名が決まった際、なんと東京・千駄ヶ谷の都立体育館(のちの東京体育館。64年の東京オリンピックで、体操競技の会場となったことでも知られる)で車名発表会が行われたのだ。
東京オリンピックの会場で車名発表会だなんて、とんでもない注目度だったことは想像に難くない。だいたい800万通の応募って、当時の人口は1億人を少し割るぐらいだから、10人に1人弱が応募していたという勘定になるほどだ。
いかに日産の小型車のデビューが日本中に注目されていたか、実感できる数字だね。

そしてその注目にたがわず、サニーは約半40年にわたって日産のボトムラインを支える小型セダンとして多くの人に愛され続けるのだ。