「ダルマ」の愛称で親しまれた、今なお人気の初代セリカ

・モデル名 :セリカ1600GT(初代・TA22型)
・メーカー名:トヨタ
・年式 :1971
・撮影場所 :第8回 石和温泉郷クラシックカーフェスティバル2018
・撮影者 :ミノ
ダルマの中でも最も人気が高い、初期型「ワンテール」モデル

「ダルマ」とか「ダルマセリカ」の愛称で呼ばれる、初代セリカのハードトップ。
その由来は、ダルマのようにふくよかなボディラインからのイメージとか、スラントノーズのフロントで存在感を発揮するメッキバンパーが、両端がクイっと上がってダルマのヒゲのように見えるからだともいわれる。
車名の「セリカ」は、スペイン語で「天空」や「神々しい」などを表す「celica」から。主にラテン系の女性の名前に用いられることもあるね。
お尻にボリューム感があるラインからも、それは何となく納得がいくところだ。
もっとも、それが「ダルマ」になってしまうというのも・・・。おっと、誰か来たようだ。
リアスタイルといえば、初代ダルマセリカで現在、旧車市場でもっとも人気があるのは通称「ワンテール」と呼ばれるモデルだ。
1972年の7月までの、ウインカーとテールランプが1つになった形状で、ブレーキを踏みながらウインカーをONにするとウインカーによる点滅が優先されるタイプだ。
これはテールランプまわりがすっきりする上に、よりクラシカルな感じがしていかにも旧車という印象が強くなる。
それに、アメリカのスペシャリティクーペをモチーフにしているセリカとしては、同時代のアメ車によくあったワンテール仕様だとよりルーツに忠実ということにもなる。

そもそもスペシャリティカーというのは、既存の車種のコンポーネントをうまく活用して2ドアハードトップやクーペに仕立て、よりフレッシュでスポーティかつ適度に豪華な雰囲気を与えたクルマのことをいう。
フォード・マスタングなどのアメリカンスポーツクーペで導入されたコンセプトで、トランザムやカマロなども追随し大人気となった。
スペシャリティカーはセダンなどの兄弟車として開発してしまうことが多いので、そうすると販売価格を抑えることもでき、ターゲットとなる若い世代などにも手が届きやすくなる。
または、価格を抑えたことによる余裕を高性能なエンジンや装備に回したり、豊富なオプションを用意するなどして付加価値の高い製品とすることができる。
それが初代セリカで話題になった、「フルチョイスシステム」と呼ばれるセミオーダーに近いオプション設定が可能になった理由のひとつだ。
ちなみに初代セリカは主要コンポーネンツをカリーナと同じくしている。
最上位モデルである「GT」には先のフルチョイスシステムは適用されず1588ccの2T-G型DOHCエンジンと5速MTの組み合わせのみであった。
内外装の色も選択に制限があったが、これは最上位であるがゆえのスポーツイメージを優先したがための設定だったものと推測される。GTのみ、フロントグリルがスポーティなハニカムメッシュ形状とされるのもその表れだろう。
