ホーロー看板界の大スター オロナミンC

ホーロー看板とは、金属板の上にガラス質の釉薬を焼き付けて作られた看板のことで、日本ではだいたい1950年代から1970年代くらいまで屋外広告にこぞって使われていたものである。当時、たくさんの種類のホーロー看板があったが、なかでも飛び抜けて有名なのが、このオロナミンCのホーロー看板である。
1965年、オロナミンC初となるテレビCMが放送されたのだが、そのCMキャラクターに採用されたのが当時大人気だった大村崑さん。
「うれしいと、メガネが落ちるんですよ」というセリフをずり下がったメガネを掛けた大村崑さんが話すこのCMは大人気となったそうな。その人気を受けて、それをそのまま看板にしたのが今回のホーロー看板というわけだ。
42万枚ほど作られたというから、その人気のほどがよくわかる。
貴重な初期モデル!さらにサイン入り
庶民文化研究所には、数多くオロナミンCのホーロー看板が収蔵されているが、町田所長が今回持ち出してくれたのは、初期モデル。
他の看板と比較するとわかるのだが、初期の看板は大村崑さんのシワが多く、オロナミンCのフタも開いている。
これは、テレビCMをそのまま写し取ったためにこのようになっているそう。
町田さん曰く、CMを撮ったときはちょうど大村崑さんが病み上がりで少しやつれていて、そんな部分まで正確に写し取れてしまっているんだそうだ。

さらに、実は町田さん、大村崑さんとお知り合いのようで、お会いする機会があった際にご覧のようにサインまでいただいたそう。
町田さんからは、大村崑さんが出演する赤い霊柩車シリーズの象徴、赤い霊柩車のイラストを送るなど、今も交流があるらしい。

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。