理髪店

理髪店

昭和レトロな建物や旧車、懐かしい家電など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯のイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回のイラストは「床屋」の通称でお馴染みの「理髪店」。昔ながらの佇まいが今に蘇る!


髪を切るのに床とはいかに?床屋の由来を知ってるか?

理髪店

子供の頃に坊主頭にしたり、スポーツ刈りにしたり、もしかしたらもう少し歳を取ってからアイパーを掛けたり…我々の多くがその髪を整えてきた理髪店…通称「床屋」。
だが、この床屋という言葉に違和感を持ったことはないだろうか?
理髪店ならわかるが、髪を切るのに床である。
この「床」とはいったいなんなのかご存じか?

庶民文化・江戸文化に精通する町田忍さんに話を聞くと、「床」とは江戸時代の髪結床というサービスに由来しているのだそう。
髪結床はすなわち江戸時代の理髪店のことであり、男性のちょんまげを整えたり、商家の娘さんや遊女の髪を整えていたりしたとのこと。
街の中に店舗があるものは「内床」、河原などの空き地に店を出すものは「出床」、店舗を持たずに得意先を回るものは「廻り髪結」と呼ばれるなど、いくつか種類がある。

特に男性にとっては、この髪結床は髪を切るだけでなく、コミュニケーションの場にもなっていてサロンのような役割も担っていたようだ。
浮世床や浮世風呂という滑稽本があるのだが、これらも髪結床を舞台にしているものもあるくらいで、いかに髪結床が文化の形成に役立っていたのかがわかる。今でもお相撲さんの髪を整える仕事や、歌舞伎・時代劇のかつらを作る仕事のことを床山と言うらしいのだが、きっとあの「床」も髪結床が元になっているのだろう。
つまり、理髪店を床屋というのは昭和どころか、さらに古い江戸から連綿と続く文化ということになる。

また、床屋といえばお馴染みの赤青白のサインポールだが、町田さんによると別名があるらしい。その名も「アルヘイ棒」。
明治のはじめに伝わったアルヘイ糖というポルトガルのお菓子があるのだが、それによく似ていることが由来。こんなところにも江戸の洒落文化を感じてしまう。
美容院や1000円カットもよいが、アルヘイ棒のある伝統的な「床屋」で髪を整えてみてはいかがだろうか?

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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