世界一コンパクトなスポーツクーペ!?

・モデル名 :フロンテクーペGX
・メーカー名:スズキ
・年式 :1972
・撮影場所 :お台場旧車天国2018
・撮影者 :会長
ジウジアーロのデザインをベースに誕生した美しいクーペ

各社がサブロク軽にスペシャリティ感のあるクーペを投入していく中、このカテゴリーに他社から少し遅れて満を持して登場したのがフロンテクーペだ。
とにかく低くなだらかでスタイリッシュなボディラインと、他車に比べて高性能だったフロンテクーペは発売当初2シーターでデビューしたんだ。
伝統的なRRの2ドアクーペスタイルで、スタイリングはかのジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたモックアップを国内でアレンジしたものと言われている。
もともとのジウジアーロデザインは、フロンテクーペよりだいぶハイトの高いデザインで居住性もある程度重視したものだったが、どういうわけかだいぶルーフをチョップしてしまい、2シーターという割り切ったレイアウトになった。
著名なカーデザイナーのスケッチを国内でアレンジ・・・なんていうと、出してみたものの売れなかったのでどんどん和風なテイストに改造してしまうケース(これってすごい思い当たる車種がいくつかあるよね)を想像してしまいがち。
だけどなぜかフロンテクーペに限っては、後にも先にもないほどスタイリッシュで完成度の高いデザインになってしまったんだ。
いうなればそう・・・明太子パスタなどの和風パスタみたいなものか。魔改造もいいところだけど、なぜかとてもおいしいという。
フロンテクーペは先に述べたように、当初は2シーターだった。シート後方の空間はラゲッジスペースとされ、「ふたりだけのクーペ」というスポーツカーらしさ満点のキャッチコピーが充てられたりしていた。
なんだかんだ言っても自動車というのは高価な買い物で、良いと思っていてもアソビクルマ感が強くなってしまう2シーターというのは、いざ買いたいと思ってもつい二の足を踏んでしまうものだ。
やはりそこはお客様の声なのか営業サイドの意見なのかわからないけど、「(めちゃくちゃ狭くても)いざとなればうしろに2人乗れる」という言い訳は、購入の後押しになる。
デビューから半年後に、リアにエマージェンシーシートを足した2+2モデルが投入されるやいなや、人気が集中したんだ。
ともあれ、マイクロスポーツクーペたるフロンテクーペは、スタイリッシュで走りも快活で大人気となった。
結構速いからか、フロンテクーペや後継のセルボのミニパトを見かけることがあった。
かわいい婦警さんが乗ってたりすると、結構絵になっていてよかった記憶があるな。あまりお世話にはなりたくなかったけどね。
