科学は駄菓子屋で学ぶもの「科学おもちゃ」の思い出

科学は駄菓子屋で学ぶもの「科学おもちゃ」の思い出

今回は、科学の力を応用したちょっと不思議な科学おもちゃをご紹介。なぜかいつまでも止まらない「地球ゴマ」や、太陽の力で絵が浮き上がる「日光写真」などなど。庶民文化研究所の町田忍所長が収蔵する科学おもちゃから少年時代の思い出を振り返ろう。


駄菓子屋遊びの中に学びはある!

子どもは好奇心のかたまりみたいなもの。
いくら必死になって学校の授業をうけても結局は楽しんで興味を持って学んだことが身につくってもんだ。

昭和の時代は駄菓子屋という身近な場所に、子どもの好奇心を刺激して止まないおもちゃがたくさんあった。駄菓子屋で扱われていたおもちゃは、外で遊ぶものや自分のカラダを動かして使うものがほとんど。
我々は駄菓子屋で遊びながらいろんなことを吸収していったものだ。

と、いうわけで今回は、昭和に生きた我々の好奇心を大いに刺激してくれた駄菓子屋の科学おもちゃを紹介しよう。
解説はいつもの通り、庶民文化研究所の町田忍所長だ。

割れないシャボン玉?バルーンフウセン

ビニールポリバルーン

シャボン玉のようにストローでプーーーッとふくらませるんだけど、出来上がるのは見た目はシャボン玉なのに割れない不思議なバルーン。
そんなおもちゃが通称バルーンフウセンとか風船玉などと言われているもの。
正式名称はどうやらビニールポリバルーンというらしい。

町田さんが収蔵していたのは石原ポリケミカルのポリバルーンだ。
樹脂で出来ていているので、ちょっとやそっとじゃ割れないという代物だ。
町田さんは縁日でこれを見かけたそうで、的屋のおじさんが大きな風船で帽子を作っていて、中にお札が入っていたのを覚えているそうな。

傾いても倒れない…地球ゴマ

地球ゴマ

ペンの先で大きなコマが回ったり、傾いても止まらず回り続けたり、綱渡りしたり…普通のコマでは出来っこない動きをすることで昭和30年代くらいに大ブームとなった「地球ゴマ」。
これは、「高速回転中の回転体がその回転軸を保とうとする現象」である「ジャイロ効果」を応用したもの。
地球が23.4度傾いて自転していることから「地球ゴマ」という名前をつけたらしい。これを上手に使えてるヤツは人気者だった。

地球ゴマが大ブームとなったのは昭和30年代だが、誕生したのは1921(大正10)年。
なんとぼちぼち100周年を迎えるほどの歴史あるおもちゃなのだ。
ジャイロ効果を正確に実現するために、とにかく精度が命のおもちゃで、ひとつひとつ職人の手作りで作られていたというのだから驚きだ。だからこそのあの精巧な動きなわけだ。

日光で絵が浮かび上がる…日光写真

日光写真

なにやらあからさまに坂本九さんの姿が見えるが、果たして版権はいかに…ということは置いておいて、こちらのおもちゃは日光写真と呼ばれるものだ。
ガラスの下に「タネ」という黒い絵(写真の月光仮面)が描かれた油紙をおき、その下に写真の印画紙を置いて、10分程度陽にあてると絵が印画紙に浮き出ているというもの。
これは原始的な写真の技術を応用したもので、タネと呼ばれるものがネガで、それを日光で感光させることで、印画紙に像を焼き付けるという仕組みになっている。
印画紙の切れ端をリサイクルする形で生まれたもののようだ。
単純な仕掛けだけど、写真や日光の役割を知るいい教材となるおもちゃだ。
ちなみに坂本九さんの隣は森山加代子さん。ということは「いつもアイラブユー」かな?

いずれも駄菓子屋で遊んでいたおもちゃだが当時、仕組みなんて知らずにいたわけだ。
結局のところ駄菓子屋おもちゃで科学を学ぶってよりも、「楽しい」が勝るってもんだ。

我々昭和世代が駄菓子屋の知育玩具を楽しんだように、現代の子どもたちも知育玩具で楽しんいるはずだ。もちろん駄菓子屋のそれとは比べ物にならないほど進化した知育っぷりだろう。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

関連する投稿


フォルクスワーゲン Type1 ビートル

フォルクスワーゲン Type1 ビートル

昭和レトロな旧車や、レトロ家電、懐かしい建物など、庶民文化研究所の所長 町田忍画伯がイラストで今に残す「昭和レトロ画帖」。今回のイラストは「VW フォルクスワーゲン Type1 ビートル」!往年の名車「フォルクスワーゲン ビートル」を描く。


子どものギャンブル?カプセルトイ

子どものギャンブル?カプセルトイ

今回は、子どもの射幸心を煽ってやまなかった魅惑のおもちゃ・カプセルトイをご紹介。出てくるまで中身がわからない、ほしいものを手に入れたいという気持ちが刺激され、お小遣いを吸い取られた人も多いハズ。庶民文化研究所の町田忍所長もそんなひとり。町田少年の思い出とともにカプセルトイの懐かしい話を。


日野ルノー

日野ルノー

昭和レトロな旧車や、レトロ家電、懐かしい建物など、古き良き昭和の日本に庶民文化研究所町田忍画伯がイラストで迫る。今回ご紹介するのは有名なルノーの車。ただし、日野自動車製ですが。


どのノート使ってた?学習用ノートのコレクション

どのノート使ってた?学習用ノートのコレクション

今回は、学校などで使われる学用品、その中でもノートにフィーチャーしてご紹介しよう。マス目で区切られていたり、罫線で区切られていたり、あるいは人気のキャラクターが描かれていたり…当時のノートのコレクションをご覧あれ。


昔と今ではちょっと違う?昭和の文房具事情

昔と今ではちょっと違う?昭和の文房具事情

今回は、昭和の学校で使われていた懐かしい文房具をご紹介。遊び道具やファッションはともかく、学校の道具はそんなに昭和も平成も令和も変わらないのでは?と思っていても、実は大きく様変わりしているのです。


最新の投稿


クラウン | トヨタ - ちょい悪セダンは鬼の形相!?クラウン6代目後期型「オニクラ」【旧車】

クラウン | トヨタ - ちょい悪セダンは鬼の形相!?クラウン6代目後期型「オニクラ」【旧車】

純和風セダンの雄、トヨタ・クラウン。 歴代のキャッチコピーにもジャポネスクな香りが漂うものが多く、6代目も前期型は「日本の薫り」を掲げていました。


【クルマニアックイズ】161本目

【クルマニアックイズ】161本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!


スカイライン2000GT | 日産 - 伝統の丸テールはケンメリから【旧車】

スカイライン2000GT | 日産 - 伝統の丸テールはケンメリから【旧車】

スカイラインといえばGT、「スカG」と略して呼ばれるのが常です。その中でも、ケンメリは合計67万台も製造されていた、歴代スカイライントップのヒット作でした。


仮面ライダーは永遠のヒーロー!進化する仮面ライダーの愛機たち

仮面ライダーは永遠のヒーロー!進化する仮面ライダーの愛機たち

Dr.近藤のコレクションから昔懐かしい特撮・アニメのヒーローたちを紹介する『特撮・アニメヒーロー図鑑』。今回の特集も仮面ライダー×バイク!今回は昭和末期から平成初頭にかけてのライダーとその愛機を紹介しよう!


昭和に散ったギャグ系死語の世界 ~お呼びでない?~

昭和に散ったギャグ系死語の世界 ~お呼びでない?~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。今回は番外編。昭和に散った「ギャグ系死語」。初回は「お呼びでない?」。日本のサラリーマンの権化とも言える植木等を代表するギャグである。