駄菓子屋で手に入る火薬おもちゃの危なっかしい思い出

駄菓子屋で手に入る火薬おもちゃの危なっかしい思い出

今回は、ちょっと危ない(?)昭和世代の火薬おもちゃをご紹介。火薬鉄砲に巻玉火薬や、2B弾、あれによく似た蛇花火など、特に男子が大好きだった“火薬おもちゃ”。男子の社交場・駄菓子屋で入手する、ちょっと危なっかしい火薬遊びの思い出を庶民文化研究の町田忍さんと振り返る。


駄菓子屋男子のシューティングゲームといえば火薬鉄砲

今やシューティングゲームは、仮想空間でFPV(一人称視点)の銃撃戦が人気らしい。
まるで自分が鉄砲を持って、敵を倒していくようなゲームだ。
そんな仮想空間に無縁な、昭和世代の駄菓子屋男子はFPVをリアルで行ったもんだ。そう、いわゆる鉄砲ごっこだ。

火薬鉄砲

撃鉄の部分に単発、あるいは複数発の火薬を挟んで、打つと撃鉄が降りてパンと音が鳴って煙が出る、あのブリキの鉄砲だ。
子どもというの鉄砲に限らず武器が好きだが放課後、多くの駄菓子屋男子が火薬鉄砲で打ち合ったものだ。

火薬鉄砲の弾はそのものズバリ!巻玉火薬

巻玉火薬

ブリキの火薬鉄砲の弾になるのが巻玉火薬だ(ご存じだろうが火薬鉄砲から弾が出るわけではない。出るのは音と煙と焼けた匂い。今思えば近所迷惑な代物である)。
巻玉火薬は文字通りロール状になった火薬だ。等間隔で小さな火薬玉が並んでいて、打つたびに巻玉火薬がスライドして、次の火薬玉が装填されるようになっている。
巻玉火薬は火薬鉄砲に連射という優位性を与えた駄菓子屋男子のマストアイテムなのだ。

有名なのは写真にある鬼印や獅印など。
どちらも大阪の工場で作られていたようだが、今は製造をしていないそうな。
子どもの遊び方も変わったし、やっぱりちょっと危なっかしいという声が多かったのかもしれない。
それにしてもなんともいい味出してるパッケージではないか!

駄菓子屋男子の飛び道具ジャンプ弾・2B弾

ジャンプ弾・2B弾

こちらも火薬を利用した駄菓子屋おもちゃ。
ロケットのような形をしたものがジャンプ弾という火薬おもちゃ。
火薬が装填されていて、高く投げると地面にぶつかった衝撃で大きな音がするという単純さがウリ。
まるで手榴弾みたいな感じで駄菓子屋男子の心をくすぐった。
ジャンプ弾には、ダーツ形状のものなんかもあって、先端に火薬が詰まっていて、着弾ともに音が鳴る。

ほかにも2B弾は火薬おもちゃ界では有名ドコロだろう。
連発じゃない爆竹とでも言えばいいだろうか、マッチの横や固いところでこすってからしばらくすると、大きな爆発音を響かせるという、これまで紹介した火薬おもちゃのなかではおそらく一番危険な代物だ。

花火は花火でも…駄菓子屋男子が大爆笑する蛇花火

なんの変哲もない黒い塊に火を付ける。
すると、まるで生き物のようにうねうねと燃えカスが伸びていく不思議な花火がある。
そう蛇花火だ。
蛇玉とも言われていて、その由来は燃えカスが伸びていく様が蛇のようだからなのだが………。駄菓子屋男子にとって、それはまるで別のものに見えてしまっう。そう、男子が大好きな●▲■である。
なので別名、●▲■花火とも言われていたとかいないとか。

蛇花火

そんな蛇花火だが、実はかなりの歴史があるようで、町田さんが調べたところによると、大正6年の新聞広告にその名前が見られたという。
しかも、さらに調べたところによると、二次燃焼という高度な技術が必要な花火でもあるらしい(ゴル横調べ)。しかもさらに、この新聞広告によると水中でも使用できるとのこと。知らなかった…これは試してみたい!
なんとも地味な花火ではあるが、なかなか興味深い歴史と技術が詰まった●▲■花火だ。

火薬を使った駄菓子屋おもちゃというのは、今となってはあまり見ない気がするが、昭和の時代は子どもたちにとって比較的身近なおもちゃであった。
多少の危険をはらんでいるとはいえ、いや、だからこそ、当時の男子たちは引きつけられたのだろう。
あのドキドキ感をぜひとも今の子どもたちにも体験してもらいたいものである。
もちろん細心の注意を払いつつ。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

関連する投稿


昭和に散ったファッション系死語の世界 ~とっくり~

昭和に散ったファッション系死語の世界 ~とっくり~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。 今回ご紹介する死語は「とっくり」。徳利ではなく、徳利のようなセーター、そう、タートルネックのことである。


屋台

屋台

旧車や、レトロ家電、懐かしい建物…今じゃなかなか出会えない昭和レトロなものたちを、庶民文化研究家・町田忍さんのレトロなイラストで蘇らせるこのコーナー。今回はかつて、多く見かけた庶民の味。屋台についてご紹介。


わっしょいわっしょい!祭りを盛り上げる御神輿の思い出

わっしょいわっしょい!祭りを盛り上げる御神輿の思い出

今回は、威勢のいい掛け声が清々しい、祭りのシンボル「御神輿」についてご紹介しよう。庶民文化研究所所長の町田忍さんは大のお祭り好き!実際に担いだ神輿を含め、様々な神輿の思い出を語ってもらった!


昭和に散ったファッション系死語の世界 ~ランニング~

昭和に散ったファッション系死語の世界 ~ランニング~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。 今回ご紹介する死語は「ランニング」。走るほうではない。ファッションである。おそらく着ている人と言われれば、あの人を思い出す。そんなファッション系死語である。


ボンネット型消防車

ボンネット型消防車

旧車や、レトロ家電、懐かしい建物…今じゃなかなか出会えない昭和レトロなものたちを、庶民文化研究家・町田忍さんのレトロなイラストで蘇らせるこのコーナー。今回は昭和の時代に市民を火事から守っていたボンネット型消防車をご紹介。


最新の投稿


トト/TOTO - I'll Be Over You(LIVE) - 1986年

トト/TOTO - I'll Be Over You(LIVE) - 1986年

ギターのルカサーがボーカルもつとめたヒット曲。 TOTOはジェフ(Ds)、スティーヴ(Key,Vo)、マイク(B)のポーカロ三兄弟やスティーヴ・ルカサー(G,Vo)、デヴィッド・ペイチ(P)らによるアメリカのロック・バンド。1978年にデビューし、ロックにR&Bの要素をうまく融合させたAORサウンドで人気を集め、自作のヒットやマイケル・ジャクソン『スリラー』の裏方をつとめるなど一世を風靡しました。


セリカ | トヨタ - 385台しか作られなかった、憧れの限定車「ブラックセリカ」【旧車】

セリカ | トヨタ - 385台しか作られなかった、憧れの限定車「ブラックセリカ」【旧車】

初代セリカ・リフトバックの2000GTをベースにした、あまりにも有名な限定車「ブラックセリカ」。 国内登録累計38.5万台を記念して、1977年に385台だけ作られたファン垂涎のレアモデルです。


ダイアナ・ロス/Diana Ross - Upside Down - 1980年

ダイアナ・ロス/Diana Ross - Upside Down - 1980年

ダイアナ・ロスはアメリカで最も成功した黒人女性歌手の一人。1961年にザ・スプリームスとしてモータウンからデビューし、リード・ヴォーカルとして計12作の全米No.1ヒットを生み出しました。70年のソロ転向後も「マホガニーのテーマ」やライオネル・リッチーとのデュエット「エンドレス・ラブ」など多くのヒット作を出し、ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの伝記映画「Lady Sings the Blues」で主演を務めるなど女優としても活躍しました。


ウルトラマン - 初代はやっぱり偉大なのだ!

ウルトラマン - 初代はやっぱり偉大なのだ!

特撮もの巨大ヒーローといえばいの一番にうかぶのが「ウルトラマンシリーズ」ではないでしょうか?世代を超えて語り継がれる我らがヒーローの誕生!


ジャネット・ジャクソン/Janet Jackson - Miss You Much - 1989年

ジャネット・ジャクソン/Janet Jackson - Miss You Much - 1989年

4週連続全米1位の大ヒット作。 ジャネット・ジャクソンはアメリカのR&Bシンガー、ソングライターでジャクソン一家の末娘。1982年に16歳でデビューしましたが、86年に家族から離れて“自立”し、ジャム&ルイスをプロデューサーに迎えた『コントロール』で大ブレイク。その後も多くの作品でジャム&ルイスとコンビを組み、ダンス・ポップと融合した現代的なR&Bを確立して、1億枚以上を売り上げました。なお、兄マイケルとは仲良しだったのだとか。