甘酸っぱい定番駄菓子 都こんぶの話

甘酸っぱい定番駄菓子 都こんぶの話

今回は、庶民文化研究所収蔵の酢昆布、なかでも「都こんぶ」(の箱)について取り上げたい。こんぶに独特の甘酸っぱいパウダーがいっぱいかかった、あの独特の味は今なお、ファンの多い駄菓子だ。「都こんぶ」にどのような物語があることやら、庶民文化研究所町田忍所長に聞いてみた。


駄菓子の中に燦然と輝くこんぶ

子どもが大好きな駄菓子。
そんなかつての駄菓子にあって異彩を放ちながらも人気を博すおやつがある。そうそれが、「都こんぶ」だ。
こんぶといういかにも体に良さそうな海藻を使いつつも、ちゃんとおかしとしての魅力を持っている。今も変わらず販売されている不動の人気駄菓子だ。

そんな「都こんぶ」といえばあの朱色の箱。
箱に堂々と書かれている「中野の」の文字が示すように、販売元は中野物産という会社だ。
「都こんぶ」は、中野商店の創業者・中野正一氏が生み出した駄菓子なのである。
大阪府堺にある昆布問屋で丁稚として働いていた中野氏は、よくこんぶの切れ端をおやつにしていたらしく、そのこんぶに味をつけたら売れるのではないか?と考えていたそうな。

そして、1931(昭和6)年に独立、中野商店を立ち上げ、生まれたのが「都こんぶ」なのだ!
ちなみに、「都こんぶ」という名前は、中野氏が京都出身であることに由来している。

中野の都こんぶ箱。日光限定はレア

中野氏は、商魂たくましく、才を発揮。
駄菓子屋の販路をまたたく間に開拓。当時人気だった紙芝居にも目をつけ、強烈に売り込んだそうな。
ただ、子ども人気だけではいけないと、その後は映画館や芝居小屋に目をつけ、大人に対しても販路を拡大。ついには歌舞伎座にも卸すようになったそうな。

しかし中野氏はそれだけにとどまらない。
さらに都こんぶを広めるために目をつけたのが、鉄道。
全国に広がる鉄道の売店に置いてもらうことで、「都こんぶ」の名はさらに日本中に広がっていったそうだ。なんでも当時はまだ珍しいテレビCMまで行ったと言うから、中野氏の商才はすさまじいものがある。

ちなみに、町田さんは大阪府貝塚市にある工場にも見学に行ったことがあるらしく、「歴史があり、懐かしいおかしだが、工場はとても近代的だった」とのこと。
写真は「都こんぶ」の箱の数々。
おそらく年代は違うのだが、基本のデザインは変わりなし!
変化を楽しむのも良いが、変わらない良さもまた良い。
町田さんいわく日光限定はなかなかのレア物らしい。

中野物産のその他商品

中野商店といえば「都こんぶ」であるが、ほかにもいろいろな商品がある。
イカや梅、ホタテなんてものも。

酢昆布は「都こんぶ」だけじゃない!

他社の酢昆布商品

他社の酢昆布商品

酢昆布というド定番のおやつだけに、中野物産だけでなく、その他の会社からもいろいろと商品が登場している。その一部がこちら。

梅を使ったものや、シンプルに酢昆布と命名されたものなどさまざまだ。
そして酢昆布界隈にもあのハローさんが進出していることに驚く。ホントに神出鬼没だなぁ。

もう一つの気になるところとしては、「山口の都こんぶ」。
名前もデザインもなにからなにまで「都こんぶ」にかぶっている…。しかも、元祖。気になる存在「山口の都こんぶ」…。

懐かしくておいしい「都こんぶ」だが、そこには創業者の熱い商魂と物語が隠れていた。

あのころ、何気なく食べていた、使っていた様々な昭和な事物一つひとつに、それぞれ物語があるのだろう。
また庶民文化研究所で町田所長と語りたいものである。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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