圧倒的な走破性とタフさでプロたちにも支持されるマイクロ四駆

・モデル名 :ジムニー(初代・LJ10型)
・メーカー名:スズキ
・年式 :1971
・撮影場所 :青梅宿懐古自動車同窓会2017
・撮影者 :ミノ
道なき道を突き進む、自然に挑戦する漢(オトコ)のクルマ

空前のSUVブームの現在、都会的で快適で、いざとなれば悪路もイケることが「力あるものの余裕」とでもいうような魅力を打ち出したクルマがどんどん売れている。
国産・輸入車とわず「プレミアムSUV」とか「クロスオーバーSUV」なんていう、なんだかいいとこ取りみたいなクルマが人気だ。
そういえば30年近く前、バブル前後の頃にも四駆ブームがあって、クロスカントリー略して「クロカン」なんて呼ばれ方もしていた。あの頃も、スキーだスノボだといった冬のレジャーや夏のキャンプやBBQといったアウトドア志向のスタイルがもてはやされた。
さらにその約10年以上前、まだ軽自動車が360cc規格だったころ、1970年に初代ジムニーは軽自動車初の本格オフローダーとして誕生した。
SUVだクロカンだといったオシャレなライフスタイルとは程遠い、道なき道を行き狭い林道だろうが雪深い地域だろうが突き進む、プロユーザーをターゲットとしたクルマだった。
山奥の送電線やダム、林業、雪山といった厳しい環境を物ともしない走破性は、ラダーフレーム構造の堅牢な車体にジープ等のような本格的な4輪駆動車の機構を組み込んだことによるものだ。
それをたった全長2955mm×全幅1295mmという旧規格軽の小さくて軽いボディに詰め込み、さらに軽い360ccのエンジンで駆動したことにより、その走破性は圧倒的なものになった。
細いけもの道のような山坂道やつづら折りでも入っていけるコンパクトさは、並み居る他の四輪駆動車と真逆の考え方。ふつうならば厳しい道を進むにはハイパワーが必要で、エンジンは大きくなるし安定性を確保するためボディも大柄になりがちなところ、とにかく身軽でコンパクトになることによりどこでも入っていけるクルマが成立したのだ。
登坂力だって初代は約27度を誇り、同時期の大排気量4WDに全く引けをとるところはない。
2018年、20年ぶりに4代目となる新型がデビューしたが、初代デビューから50年近く経つモデルが「4代目」というのもスゴイことだ。
それだけしっかりしたコンセプトの車種ということだし、またそれだけ長く支持されているからでもあるだろう。新型は受注が殺到し納期がだいぶかかるという話が聞こえてくるが、それもまた納得だね。

