キーンと冷たい夏の風物詩・かき氷

キーンと冷たい夏の風物詩・かき氷

今回は、庶民文化研究所収蔵のかき氷の旗やかき氷機など、かき氷グッズをご紹介。あの旗、あのかき氷機。あの懐かしい夏の日。昭和レトロな夏のかき氷アイテムをご堪能あれ!


昭和のかき氷はちょっと不器用だった

今も昔も夏の風物詩といえるかき氷。そんな時代を超えて愛されるかき氷ではあるが、昔と今ではその様相はかなり違う。かき氷を作る機会はずいぶんスタイリッシュにコンパクトになったし、提供しているお店もおしゃれなカフェなんかだ。さらに出来上がりも今ではふわふわと細かく削られた氷で、見た目もおしゃれ。
時代が変わったといえばそれまでだし、なんだったら今のかき氷のほうがおしゃれでおいしいかもしれない。

でも、それでも、昭和を生きたオヤジからすれば、思い起こすのはやたらとごっついかき氷機だし、ちょっと粗い氷のかき氷だ。
そんな昭和を感じさせるかき氷グッズを、庶民文化研究所の町田忍所長に紹介してもらった。

かき氷。そのはじまり

氷を削って、シロップをかけて食べる。
そんなシンプルなかき氷というデザート。
誰もが知っているかき氷だが、そのはじまりがいつからなのか知っている人はなかなかいないだろう。
町田さんによると、そのはじまりは明治2年6月のこと。
横浜の馬車道で町田房造という人物が「氷水店」なるお店を開業したのだとか。
ちなみに、この町田房造なる人物は町田さんの祖先、なんてことはないそうだ(笑)。

ここで販売されていたのは削った氷の上に、砂糖の煮汁や、ニッキを入れた程度のもので、まだ今のかき氷の形にはなっていなかったらしい。

また、商売として誕生する前から、かき氷らしきものは歴史に登場している。
町田さんが調べた文献によると奈良時代にはすでにかき氷らしきものが確認できるそうだ。
よくよく調べてみるとあの清少納言も食べたとか食べなかったとか。昔は氷を保存したり、作ったりする技術もなかったので、氷はとても貴重品だったらしく、雅な人しか食べられなかったらしい。
暑い夏に冷たい氷を欲するのは、野原を元気に走り回る鼻垂れ小僧も、十二単に身を包んだ貴族も変わらないらしい。

氷を削るかき氷機

かき氷といえば、出来上がりに注目しがちだが、忘れてはいけないのがそれを作るかき氷機。今でこそ電動だが、昔は手で回して大きな氷をガリガリと削っていた。
だが、そもそもの最初はなんと「かんな」で削っていたというから驚きだ。
我々、昭和のオヤジがよく知る手回しかき氷機が登場するのは、明治20年まで待たなければならなかった。どうも明治16年に機械で製氷する技術が発明され、氷がより身近になったことが影響しているのではないか、とは町田さんの談。

今、現在のかき氷を見て、昭和のオヤジは「かき氷っていうのはね…」と昔のかき氷について語るのかもしれないが、そもそも昭和のかき氷だって、かき氷の長い歴史からすれば比較的最近の通過点でしかない。
懐かしい昭和レトロのさらにその先には知られざる歴史がいろいろと隠れているのである。
今年の夏はかき氷を食べながら、自分の青春時代・少年時代のさらにその先に思いを馳せてみてはいかがだろうか?

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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