ロッキード社の構内で働いていた!?ミゼットの輸出版

・モデル名 :トライモービル(LMP5V型)
・メーカー名:ダイハツ
・年式 :1969
・撮影場所 :クラシックカーフェスティバルinところざわ 2017
・撮影者 :ミノ
黄色いボディカラーは、危険な場所でも目立つための専用色

昭和30年代から40年代の日本のミニマム・トランスポーターとして大活躍していたオート3輪の代表、ダイハツ・ミゼット。
実は左ハンドルモデルがつくられて、返還前の沖縄や東南アジアでも元気に走り回っていたんだ。
東南アジア向けの半数ほどはタイに輸出され、現地でトゥクトゥクとして働いていたのは想像がつくだろう。
実は少数ではあるのだけど、アメリカにも「トライモービル」の名で輸出されていたんだ。
この目を引く黄色いボディは、なんと飛行機メーカー・ロッキード社の構内で働いていたトライモービルの専用色だ。
危険回避のための黄色を全身にまとい、小回りの利くトライモービルはちょこちょことよく働いていたことだろうね。
約12馬力ととても非力だし、アクセルべた踏みしたってほとんど加速しないけど、工場の構内ではそんなことは関係ない。
広ーい飛行機工場の中では、文字通りゲタ替わり(アメリカだからサンダルだろうか?)にチョイ乗りして、ちょっと荷物を運んでくるっとUターンして戻ってくる・・・なんていう使い方をする便利で手軽な乗り物は、絶対に必要だ。
そんなニーズに応えるのに、ミゼットほどぴったりな存在はなかなかないだろうね。
ミゼットの最小回転半径は約2.7メートル、ほとんどフォークリフトみたいな小回りだ。しかもこう見えて350キロもの荷物を積むことができるんだもの。
知る人ぞ知る、といった印象のトライモービルだけど、実はミニカーブランドの「エブロ」から1/43モデルがリリースされたりしている。しかもこの、ロッキード仕様の黄色バージョンだ。
国内で「町のヘリコプター」のキャッチコピーで販売されていたミゼットが、海を渡って飛行機会社でクルクルと働いていただなんて、なんだかちょっと痛快だし夢のある話だね。
