あのサイダーは温泉由来?夏に飲みたくなる瓶サイダー

あのサイダーは温泉由来?夏に飲みたくなる瓶サイダー

今回は、庶民文化研究所収蔵の地サイダーの空き瓶をご紹介。シュワシュワと爽やか、乾いた喉を潤すサイダーもまた庶民文化のひとつ。地サイダーの空き瓶から日本のサイダーの謎を紐解く。お相手は庶民文化研究の第一人者、町田忍所長。


グイッと飲みたい瓶ドリンク!

グイッと飲みたい瓶ドリンク!

シュワッと爽やか日本のサイダー

ギラギラと照りつける太陽、流れる汗、そんな暑い夏にこそ飲みたくなる飲み物といえばサイダーだろう。世の中には様々な炭酸飲料があふれているものの、昭和のオヤジたちが懐かしさを感じる炭酸飲料といえばサイダー。それも瓶。
縁側、木桶のスイカと冷えたサイダー。昭和の夏の原風景ってもんだ。
やっぱり暑い夏の日中に飲むならペットボトルや缶じゃなくて瓶に決まり。

夏の庶民文化、サイダー。
庶民文化研究所にもたくさんの空き瓶が収蔵されている。
なんでも50年ほど前から地方や銭湯で見かけては買い集めてきたそうだ。
もちろん全てテイスティング済み!

町田所長所蔵の炭酸飲料の空き瓶たち

町田所長所蔵の炭酸飲料の空き瓶たち

サイダーの起源は三ツ矢ならぬ一つ矢?

三ツ矢サイダーの空き瓶

三ツ矢サイダーの空き瓶

こちらはみんなご存じ三ツ矢サイダー。
いまなお人気のサイダーだ。

諸説あるものの町田さんによると、日本最初のサイダーの誕生は明治18年のこと。
明治屋の「一つ矢サイダー」らしい。
「一つ矢サイダー」が後に「三ツ矢サイダー」なったのだとか。

以降、サイダーは、昭和30年代初め頃に最盛期を迎え、日本中で100社ほどの製造所があったそうな。
ちなみに、炭酸飲料と言うと人工的なイメージを持ちがちだが、三ツ矢サイダーは平野鉱泉という温泉の水を使っているそうだ。
その他のサイダーもこうした天然の鉱泉水を利用しているものが多く、サイダーの製造所は鉱泉所という名前のところが多い。

…お気付きかもしれないが、写真左のサイダーは三ツ矢ではなく「三ツワサイダー」。
兵庫県にある金沢鉱泉所で作られていた地サイダーなのだが…寄せる気まんまんだよね(笑)。
これはあくまでオマージュです!

地サイダーの瓶は三ツ矢サイダー製?

同じ形状の瓶に違うラベルが貼られた空き瓶たち

同じ形状の瓶に違うラベルが貼られた空き瓶たち

こちらは町田さん所蔵の地サイダーの空き瓶。
マスカットサイダーに、金鶴サイダー、フジサイダーととにかくいろいろなサイダーが収蔵されている。

なのだが、よく見ると瓶に施された刻印が一緒ではないか!
実はこれ、全部三ツ矢サイダーの瓶らしい。

町田さん曰く、三ツ矢サイダーが瓶をリニューアルしたタイミングで、もともと使っていた瓶が大量に不要になったらしく、その瓶が地方のサイダー製造所に再利用という形で流れていったのだとか。
そして、各製造所はその瓶にオリジナルのラベルを貼って販売。同じ瓶を使った様々なサイダーが生まれたというわけだ。

町田さんの印象深い地サイダーは、下段真ん中の金鶴サイダー。
山形県鶴岡市にある五十嵐飲料が作っていたサイダー。
なんと町田さんは工場見学にも行っているそうだ。
残念ながらいまはないそうだが、昭和23年から発売されていたという歴史あるサイダーだ。

ローカル清涼飲料の空き瓶2

ローカル清涼飲料の空き瓶2

もちろん三ツ矢の瓶を利用せず、完全オリジナル瓶の清涼飲料だってある。
それがこちらだ。透明なものはもちろん、なかには色付き瓶も。

色とりどりの瓶に、個性豊かな王冠。やっぱり瓶はいいものだ。

ペットボトルや、缶に押され姿を減らした感はあるものの瓶サイダー、いいではないか。
記憶のノスタルジー補正も手伝って、なんとなく瓶のほうがうまく感じるものだ。
この夏は少年時代を思い出して瓶サイダー、いかがだろうか。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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