日産のフラグシップ・プレジデントにつながる3ナンバーセダン

・モデル名 :セドリック スペシャル2800(30型)
・メーカー名:日産
・年式 :1965
・撮影場所 :越後丘陵公園クラシックカー展2017
・撮影者 :会長
シングルナンバーの「富3」が誇らしい、由緒正しいセダン

国産自動車産業の黎明期、ライセンス生産ではなく純国産の中型セダンとして世に出た初代セドリック。
サイドに回り込む局面的な「ラップラウンドウインドウ」と呼ばれるフロントスクリーンや、根元が後ろに下がり前傾姿勢に見えるAピラー、テールフィン形状のリヤエンドとテールランプなど、当時のアメリカ車セダンを模倣しつつ、和風テイストも取り入れた豪華なセダンだ。
初代セドリックは、前期型は「タテグロ」にも通じる縦目4灯ライト、後期型はスタンダードな横2灯×2とフェイスが大きく異なるが、全体的な印象はやはり「昔の豪華なセダン」というイメージであることは共通している。
当たり前といえば当たり前なのだけど、1960年代に中型~大型のセダンを購入するというのは相当なことで、舶来の輸入車がお手本なのは当然だし、白手袋の運転手がドアを開けてくれるような使い方が一般的なことだった。
このセドリックスペシャル2800は、初代セドリックの後期型に追加されたハイエンドモデルで、それまでの上級車種だった「カスタム」の全長とホイールベースをストレッチした国産初の3ナンバー車だ。
さらにいえば、後に日産のフラグシップとして長く君臨するプレジデントに発展していったモデルでもあるので、この威風堂々とした出で立ちもまた当然のこと。
「富3」のナンバーが、おそらく富山の上流階級の方々を乗せて走っていたであろう、誇らしい過去を感じさせる。
それがまた実によく似合う風格を備えているのが、初代セドリックだともいえる。


