湯~とぴあへつながるゲート~銭湯のれんの世界 その2

湯~とぴあへつながるゲート~銭湯のれんの世界 その2

庶民文化研究所の収蔵品整理で出てきたたくさんの銭湯のれん。今回も引き続き、町田忍所長が銭湯のれんの世界にいざなう。今回は収蔵品のなかからコマーシャルのれんを中心に、そのデザインをご覧いただきたい。


町田忍さん所有の牛乳石鹸ののれん(男湯)

町田忍さん所有の牛乳石鹸ののれん(男湯)

銭湯のれんは立派な広告枠

さて、前回はのれんの長さの地域による違いや、そのバリエーションについて解説込みでご紹介した。
例えば、東京型の銭湯のれんは丈が短くて、地方の銭湯のれんは丈が長い、とか、銭湯の名を冠したのれんはレア、とか。
【銭湯のれんの丈にまつわる豆知識編】
https://goldenyokocho.jp/articles/2912

さて、今回も銭湯のれんは銭湯のれんなのだが、銭湯のれんのなかでもコマーシャルのれんについてご紹介しようと思う。
町田さんのかつてのお話を思い出しても、銭湯と広告というのは切っても切れない間柄のようで、これまでにもホーロー看板や、ケロリンを中心にした銭湯桶、さらに江戸時代の銭湯ジオラマの話でも広告の話題が飛び出していた。

江戸時代の銭湯に貼られた江戸時代の広告

江戸時代の銭湯に貼られた江戸時代の広告

こちらは町田さんが再現した江戸時代の銭湯に貼られた広告。今はもう広告もだいぶ少なくなってきたけど、鏡の横とか(通称:鏡広告)、ペンキ絵の下のほうなんかに広告が入っている銭湯も見かける。また、ケロリン桶はそもそも内外薬品が広告目的で作ったものだしね。
その地域の庶民の生活と密接に関係する、銭湯という場所は広告掲載にうってつけだったのかもしれない。銭湯側が売り出そうと思ったのか、商売人が目をつけたのか、どっちから始まっているのか、ちょっと気になる…。

そして、町田さんによるとそんな広告のメッカ、銭湯における二大スポンサーとも言える会社が存在する。それが「牛乳石鹸」と「花王石鹸」だ。
どちらの石鹸も銭湯の受付やあるいは番台でよく見かける。まずはその二つの会社ののれんをご紹介しよう。

長年パッケージも変わらない老舗石鹸メーカー「牛乳石鹸」

町田忍さん所有の牛乳石鹸ののれん(男湯)

町田忍さん所有の牛乳石鹸ののれん(男湯)

こちらは、以前町田さんの部屋に飾ってあった、牛乳石鹸ののれんだ。
男湯、と書いてあるということは軒先ではなく、男湯側に掛けられたのれんということだろうか。富士山に鶴亀、さらに松と、縁起のいいことこの上ないのれんである。

牛乳石鹸ののれん(女湯)

牛乳石鹸ののれん(女湯)

こちらは同じのれんの女湯バージョン。男湯とは違ってどうやら夕暮れどきのようだ。ていうかやっぱり持ってたんですね、女湯バージョン…
そして牛乳石鹸はまだまだのれんのバリエーションがある…。

牛乳石鹸のシャンプー&リンス「シャワラン」ののれん

牛乳石鹸のシャンプー&リンス「シャワラン」ののれん

牛乳石鹸のシャンプー&リンス「シャワラン」ののれん

牛乳石鹸のシャンプー&リンス「シャワラン」ののれん

ちょっとレトロな牛乳石鹸ののれん

ちょっとレトロな牛乳石鹸ののれん

うーん、どれも味のあるのれんばかり。さすがは牛乳石鹸だ。
そして、いよいよ花王石鹸なわけだが…それがこちら。

花王石鹸ののれん

花王石鹸ののれん

車のイラストがまたなんともレトロで素敵だ。しっかりあの三日月の花王ロゴも入っている。こののれんをくぐったら、なんだかとってもいいお湯が待っていそうな気がしないでもない。

行政と銭湯の関係

さて、コマーシャルのれんについてここまで紹介してきたが、コマーシャルには企業の他に自治体などの行政によるものもある。前回、紹介したみたいな火の用心の銭湯のれんがそれだ。どこの銭湯でも、こうした行政側のコマーシャルを掲げたのれんがあるものなのだが、町田さんの印象によると、特に足立区はその傾向が強いんだそうだ。なんだろう、下町で地域との結びつきが強いのかな?
そんな行政広告のれんがこちらだ。

衆議院議員選挙を告げる銭湯のれん

衆議院議員選挙を告げる銭湯のれん

まずはこちら。どでかく衆議院議員選挙と入ったこののれんは、町田さん曰く行政広告が多いという足立区のもの。なるほど、たしかにすごい力の入れようだ。

交通安全と書かれた蒲田の銭湯のれん

交通安全と書かれた蒲田の銭湯のれん

こちらは足立区、ではなく大田区は蒲田の銭湯のれん。蒲田浴場組合と蒲田警察署による交通安全を啓発する銭湯のれんだ。どこぞのタイミングの交通安全週間とかだったのかな?
なんだか銭湯のれんは銭湯のれんだけど、あんまり銭湯っていう感じはしないものだね。

と、このように銭湯のれんはコマーシャルのれんだけをとっても様々なバリエーションがあるようだ。
銭湯のれんを広告として見てみるのもちょっと面白いかもしれないぞ。

ゴールデン横丁の仲間たち | 町田 忍(まちだ しのぶ)

https://goldenyokocho.jp/articles/677

ありとあらゆる庶民文化に精通し、膨大なコレクションとエピソードをお持ちの「庶民文化研究所」所長、町田忍さん。 昭和レトロそのもののような町田さんの研究所にお邪魔し、膨大なコレクションから懐かしいアイテムをピックアップ。懐かしいエピソードや知られざる裏話、さらに華麗なる交友録までお届けします。

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