ソニー ニュープロフィール カタログ

ソニー ニュープロフィール カタログ

家電蒐集家松崎順一さんが考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回は500円硬貨が発行された1982年のソニーカラーモニター、ニュープロフィールのカタログを取り上げます。


テレビのデザインに革命を起こしたプロフィールはAV時代を告げる先駆け的な存在だった。

70年代は誰もが時間さえあればレコードを聴いたり、ラジオからカセットテープに録音するエアチェックをしたりと、毎日がオーディオに明け暮れる程没頭した時代だった。そんな70年代後半には一般家庭用のビデオデッキが登場し始めた。この頃お金持ちの友達の家に遊びに行くと広いリビングの真ん中に鎮座している大型のテレビとビデオデッキを見て憧れた事があった。そして80年代に入り、ビデオデッキも少しポピュラーになってきた時に登場したのがソニーのプロフィールだった。それまでのテレビといえばブラウン管が入っているためどうしてもぽっちゃりしたスタイルで決しておしゃれな家電ではなかったが、1980年に登場したプロフィールはチューナーを省き、ディテールまでしっかりデザインされ、テレビをスタイリッシュな家電に変貌させ、テレビのデザインに革命を起こした製品だった。今回はその2代目にあたるニュープロフィールのカタログを考古学してみよう。

表紙は正面から撮影されたプロフィールだ。なんと言っても一本足のスタンドで立つ姿が痺れるほど美しい。そしてその背後に並ぶオーディオとビデオ機器がプロフィールの可能性を無言で語っている。APM平面スピーカーもこの時代を語っている。

ページをめくるとまずは画像の良さを女性モデルの静止画像で比較している。特に強調しているのが演色性で、当時の最高画質を目指したソニーの7つのこだわりが隣のページまで書かれていて、画像最優先に、もうひとつ最の字をつけたかった思いが伝わってくる。

前のページから続いて画質の特徴が細かくされている。この時代のテレビはまだ平面ではなかったが、今見ると画面の適度なカーブにも美しさを感じてしまう。

そしてプロフィールの概観とサイズの紹介だ。モニターならではのシンプルな正面と上部から覗くスタイルもスッキリとまとめられていて、どこから見ても絵になるモニターだ。そしてブラウン管のため重さも半端なく、27インチで50kgを超え、取手はあるが決して1人では持てない重量だ。

プロフィールの背面と入出力端子だ。その端子で時代が分かる。まだデジタル機器が出る前の時代だったので、入力の基本端子はRCA方式の映像と音声入力のみだ。そしてプロフィールのみでオーディオスピーカーをつなげて鳴らせるほど大出力なのも時代を感じさせる。
その下にあるオプションのテレビチューナーはなんと7万円もしたのだ。

ソニーのビデオと言えばやっぱりベータマックスだ。ベータ黎明期のJ9やJ10も掲載されている。そして実際のコンシューマーの人達の使い方を紹介することで、プロフィールをより身近に感じることができるのだろう。そしてチューナーに続き、新発売のベータマックスF11の価格が驚異だ!

そしてプロフィールをさらにパワーアップするツールがオーディオだ。当時のソニーのコンポ、リバティと組めば大迫力の音場で映像の楽しさが倍増した。そして機器が置いてあるテーブルはこの頃流行したデザインだ。よく見ると前のページのテーブルと天板の色が異なっている。

プロフィールはモニターなので、どんな機器と組み合わせするかで楽しさが変わった。その基本はやはりテレビチューナーや、ビデオデッキだった。さらにソニーのオリジナルファニチャーと組んで多彩な展開が可能だった。そして度々だがそれぞれのシステムの価格にも驚かせられる。

隣のページも組み合わせ例が続く。当時としてはどれも涎が出るほど魅力的だったと思う。
特に一番下の組み合わせは夢のフルラインナップだっただろう。

ラストはおきまりのオプションとスペックの紹介だ。80年代は音楽と映像が一緒になり、
進化したオーディオライフを楽しむことができた。更にこの年はデジタルの元年となるCDの発売もあり、話題が尽きることがなかった。昭和の家電は常に私たちに夢と希望を与えてくれた存在だったと思っている。



出典: ソニー株式会社 NEW PROFEEL カタログ (1982年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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