『こんなものを買った』marantz CD650

『こんなものを買った』marantz CD650

前回、フィリップス製DAC搭載機で手軽にマランツトーンを味わってみよう、というコンセプトでやりましたが、やはり本当のマランツが欲しくて仕方なくなりました。


1986年のマランツ

1986年は私のオーディオ史を振り返ると重要な年でした。じつは人生初のCDプレーヤーを手に入れた年だったのです。デンオンのDCD-1300。デンオンのヒット作DCD-1500と下位モデルDCD-1100の中間的な位置づけでしたが、デザインと音は1500に近く、価格は1100に近いというお買い得モデルで、1300は雑誌の評価も上々。実際に人気もあったようです。そんなわけで、それほど悩まずに購入したのですが、けっこう満足感も高くて、今でも現役で活躍しております。
ただ、今でも不思議なのですが、このころCDプレーヤーを買うのに、マランツを検討した覚えがまったくないのです。1985年にはあのCD-34が、1986年にはCD-75やCD650が登場しているのに、です。
じつは以前のCDプレーヤー特集でCD-34を聴き、またCD-75を格安で入手したりしてマランツの音が、今更ながらとても好きになってしまいました。CD-34は定評があるのでただ「納得」という感じでしたが、CD-75には本当に驚きました。
CD-34のエネルギーに加え、雰囲気やニュアンスというところまで再生する実力。見た目はしょぼい廉価版で、個体の状態も最悪。パネルはカビの跡らしきものも見られ、けっこう傷だらけなのに、素晴らしい音。入手以来、ほぼメイン機として活躍しています。

こうなると同年に登場した上位モデルCD650も気になります。よし買ってみよう!

主要スペックはCD-75と同じ

CD-75とCD650はじつはとても良く似ています。ドライブはCDM-2、DACはTDA-1541と同じです。両方ともベルギー製なところも一緒。

ただ価格はCD-75が5万9800円に対しCD650が7万9800円と2万円も高かったのです。ただしCD650はダイナミック大賞を受賞するなど評判も高かったため、けっこう売れたそうです。実際タマ数も多く、ヤフオク!などでも良く見かけます。というわけで良さそうな個体を9800円で入手してみました。

いつもお世話になっている「B級オーディオFAN(http://audiof.zouri.jp/)」によれば、4倍オーバーサンプリングを採用することでローパスフィルターの次数を低く(3次のフィルター)しようとしていたのですが、音質が思わしくなく2次のローパスフィルターを追加した痕跡があるそうです。つまり合計5次のフィルターです。

CD-34もオーバーサンプリングやノイズシェーパーを搭載しローパスフィルターは確か3次のなだらかなものを使っていたはず。思想としては同じ方向性を狙っていたのですね。

面白いのはCD650の場合3次のフィルターに2次のフィルターを付け足したため、3次での出力と5次の出力が装備されているのです。

中央寄りの出力が3次、向かって左側が5次の出力となっています。
前出の「B級オーディオFAN」では5次のほうが圧倒的に良い、と評価されていますが、正直それほどの差は感じませんでした。
というよりも正直に言ってしまうとCD-75のほうが好き。
CD-75のほうが荒々しいというか荒削りな感じがするのですが、今どきのCDにはない音なんです。そういう意味ではCD-34に近いかな。CD650は、とくに5次の方はずっと洗練されてます。30年以上前にこの完成度はすごい!のですが、これは好みかな。

じつは姉妹機的成り立ちなのかな

ところで、「B級オーディオFAN」にCD650の内部のカットがありまして、ちょっと気になったのですが、これCD-75とほとんど同じなんじゃないですか?試しに両方開けてみます。

上がCD-75、下がCD650です。
フロントのデザインはまったく違う2モデルですが、シャシーもドライブもメイン基板も同じです!
CD-75では背面パネル側に小さな追加基板がありますが、これはリモートやシンクロの接続用端子。一方CD650ではひとまわり大きな基板が追加されていて、これが追加された2次のフィルターとそのアナログ出力です。
なるほど、作り分けがうまいなあ。
ではCD-75の出力とCD650の3次の出力が同じ音か、というと違うんですよね。基板や構成パーツはほとんど同じだと思うのですが、とても不思議です。それにしてもCD-75は5000円、CD650は9800円で入手して、ここまで楽しめるというのは、本当にいい時代になったものです。

CD650おまけ

今回入手したCD650にはサイドウッドパネルがついてました。これは当時4000円の別売りパーツだったようです。CD-75もそうですが、CD650のリアパネル側など外装を外すのはトルクスドライバーが必要です。ただウッドパネルはプラスのネジ止めでした。日本向けのオプションだったのでしょうか。
またフロントパネルの右にはシーリングタイプのテンキーがあり、操作性はとても高くなってます。

フロントパネルのトレイの上部は中が見えるようにのぞき窓と内部照明があり、回転するCDが見えるようになっています。

まだ最先端のメディアだったCDを所有する満足感を強調するうれしい仕掛けですね!

ゴールデン横丁の仲間たち | 澤村 信(さわむら まこと)

https://goldenyokocho.jp/articles/675

かつてのオーディオブームを体験した世代にはたまらないムック本『ステレオ時代』(ネコ・パブリッシング)の編集長。ゴル横会長たっての願いを快く受け入れ、オーディオ愛あふれるコラムをゴル横に書き下ろしていただくことになりました!

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