ソニー  ヘッドフォン・ラインアップ カタログ

ソニー ヘッドフォン・ラインアップ カタログ

家電蒐集家松崎順一さんが考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回は、バブルがスタートした1985年のソニー・ヘッドフォンのカタログを取り上げます。


DCブランドの台頭がヘッドフォンをファッションアイテムに変えた。

1985年は時代で見るとバブル景気のスタートの年として捉えられていることが多い。実際に景気も上向きで、70年代、80年代前半とも違う日本の独自の進化が始まった頃だと思っている。ただ、その流れは80年代諸島に起こったアメリカの大学のキャンパスライフが雑誌などで取り上げられ、カッコいいライフスタイルが憧れの的になったことから若い人たちを中心に変化を求めるようになったことだろう。その流れが多くのデザイナーズ・ブランドや、キャラクター・ブランドを生み、より豊かなライフスタイルを求める事に繋がっていったと思われる。今回紹介するヘッドフォンカタログも従来の製品の羅列ではなく、ライフスタイルからのアプローチになっていて、当時の生活感を感じさせるカタログになっている。それでは具体的にカタログをみてみよう。

まず表紙だが当時の女性向けのスタイルマガジンだったオリーブを彷彿させるデザインで、カタログというよりも雑誌を見る感覚でまとめられている。女性のファッションもオリーブで提案していた大きな襟やフリルでボリューム感のある乙女チックなファッション
だ。ヘッドフォンはさらりと表現されているのがいい。

中を開くとファッション雑誌かと思ってしまうほどオシャレなレイアウトに、ヘッドフォンも自分のスタイルに合わせて選ぼうというコピーで、ファッションアイテムとしてのヘッドフォン。ラジカセはこの頃の流行色を纏ったおしゃれなWラジカセCFS-W50が掲載っている。背景色は時代を感じるパステルイエローだ。

そして両開きの隣のページに製品の具体的な表記が掲載されている。ここで紹介されているのはウォークマンでデビューしたHair(ヘアー)というヘッドフォンで、当時より更に洗練されカラーバリエーションも実にカラフルだ。機能説明も実に細かく、オシャレな製品でも音質にはこだわるソニーの姿勢を感じさせる。

次のページはパステルピンクでまとめられたポップなレイアウトだ。コピーもまさに80年代だ。ウォークマンのロゴもさりげなく使われていて、ここではウォークマンとWEAR(ウェア)の紹介ページになっている。この時代のウォークマンとカセットテープもカラフルで見ているだけでウキウキした感覚にさせてくれる。

隣のこちらはWEARのバリェーションだ。こちらのヘッドフォンはもっとカジュアルに楽しむためのヘッドフォンで、カラーバリェーションも更に豊富だ。
ウォークマンとWEARのコンビは街をサウンドパラダイスにするための必須アイテムだった。折りたたみ式もこの頃からで、さりげなく取り出す時がお洒落だったに違いない。

ラストはインナータイプのヘッドフォンNUDEがパステルグリーンベースに爽やかに紹介されている。今では当たり前の製品だがこの時代は髪型を気にせず装着できるヘッドフォンはまだ新鮮だったかもしれない。ちなみにこの年はチェッカーズの髪型が大流行した頃でもある。

こちらはNUDEのラインナップだ。巻き取りができるケースもおしゃれで、当時使っていた方もいるはず。やはりこのビビッドなパステルカラーがこの頃の製品の特徴で、80年代のイメージを一番強く感じさせるのかもしれない。ただ、隅の方に小さく載っている三角形のスピーカーを持ち歩くのはちょっと恥ずかしいかも。

そして最後のページはHAIRの中でもより音質にこだわったPROの紹介だ。ヘッドフォンの性能はドライバーで変わる。PRO用に新開発された口径3センチの大型ドライバーを使った納得のプロ仕様ヘッドフォンで、ファッションをメインにしたカタログでもこの辺りのラインナップも載っているところがソニーらしさを感じさせる。


出典: ソニー株式会社 ヘッドフォンズ カタログ (1985年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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