イタリアの名門カロッツェリア、ヴィニャーレがデザイン

・モデル名 :コンパーノ ベルリーナ
・世代/型式:初代/F40型
・メーカー名:ダイハツ
・年式 :1966
・撮影場所 :クラシックカーフェスティバルinところざわ 2017
ミゼットという出色の大ヒット軽オート三輪をもつダイハツは、オート三輪の世界ではマツダと覇を競っていたが、やはり自動車メーカーたるもの乗用車を製造したいのは当然のこと。
さらにいえばセダンを中心とした乗用車は成長市場であることは間違いなく、各社も競って参入を果たしていた。
そんな中、ダイハツが乗用車市場に打って出た第1作めがこのコンパーノ・ベルリーナだ。
イタリアの名門カロッツェリア、ヴィニャーレがデザインを担当し、いかにも美しいイタリアーノなベルリーナ。当初はやはり商用車ニーズのほうが高かったためコンパーノ・ライトバンから製造がスタートしたが、そのセダン(ベルリーナ)版としてデビューしたんだ。
手堅くラダーフレーム構造が採用された

コンパーノのライバルとなるのはやはりトヨタ・パブリカや日産ブルーバード(410型あたり)だろう。このあたりの小型セダンは軒並みモノコック構造が導入され始めた世代でもあるのだけど、コンパーノはダイハツのセダン第1号ということもあって、手堅くラダーフレーム構造が採用された。
技術革新も大事だけども、作り慣れたラダーフレーム構造でキッチリとした製品を世に送り出したいという気持ちもよくわかる。
それでもフレーム構造は旧態依然としたものではあったけど、たとえば4速フルシンクロのMTが積まれたり、日本初となる機械式インジェクションが奢られたりもしていたんだ。
コンパーノといえばベルリーナよりスパイダーのほうが印象的かもしれない。
実はライトバンだけでなくトラック(ピックアップ)などもある。
さまざまなボディバリエーションが作られたのは、ラダーフレーム構造ゆえに上物を変えるだけでそれが実現できたからだ。
ビジネスとして手堅く台数を伸ばさなければいけない、言ってしまえば絶対に失敗できない第1号車であることを考えると、いたずらに先端技術を追ってモノコック構造にするよりラダーフレーム構造を採用したダイハツの慧眼はアッパレというべきだね。
