妥協なき時代考証に圧巻の再現力!ジオラマ作家山本高樹さんが語る(2)

妥協なき時代考証に圧巻の再現力!ジオラマ作家山本高樹さんが語る(2)

庶民文化の第一人者、町田忍さんとジオラマ作家の山本高樹さん。妥協なき町田さんの時代考証と、山本さんが繰り出す圧巻の超絶技巧で銭湯ジオラマを再現してみせたふたり。今回は制作過程の話を中心に、山本高樹さんの新作についても伺った。


山本高樹ワールド「映画館」

対談前に予習をどうぞ!ジオラマ作品を振り返る

「町田さんの生家」:https://goldenyokocho.jp/articles/729
「明神湯」:https://goldenyokocho.jp/articles/730
「江戸の銭湯」:https://goldenyokocho.jp/articles/692
「湯船」:https://goldenyokocho.jp/articles/731
「神田川の情景」:https://goldenyokocho.jp/articles/693
「神保町古書店街」:https://goldenyokocho.jp/articles/1505
「源ヶ橋温泉」:https://goldenyokocho.jp/articles/1603

山本さんも驚く、町田忍のこだわり!

ジオラマ「江戸の銭湯」

明神湯を町田さんとともに作り上げた山本さんだが、その後、町田さんの希望もあり、江戸時代のものを作ることに。

山本:江戸って言われても町田さんがちゃんと細かくデザインしてくれなきゃ、こっちは全然知識もないからね(苦笑)

町田:だから明神湯のときよりも細かく口出ししたもんね!w

山本:図面がまた面白いんだよ、町田さんのw持って来てあげるよ!

と言って出てきたのは町田さんが実際に書いた図面や、時代考証用資料の山!

ジオラマ製作に欠かせない町田さんの資料

これは屋形船の資料かな?こうした資料の印刷物の他、自分で図面を引いたりするわけだが、それがカレンダーの裏紙だったりするあたりがまたなんとも町田さんらしくて素敵だw
ちなみになぜカレンダーなのかというと、「だって一番大きい紙だから」とのこと。
うーん、言われてみれば家の中でこれよりデカい紙はないかも…(;´∀`)

それにしても出るわ出るわ…江戸の銭湯を再現するための資料には、荷物を預けるロッカーの資料や、当時の浮世絵、さらには銭湯の覗き窓の資料などもある。

江戸の銭湯のぞき窓

他にも湯船で登場した夜鷹の資料や、出前の蕎麦屋の細かい資料、なんとちょんまげの結い方の種類に関する資料などまであったwww

山本:これだけ細かく考証されたらねぇ…w

ミノ:そうですよね、「頑張らないと!」ってなりますよね(;´∀`)

山本:でもビジュアルで出してくれるから楽しく作業できますよ。
だいたい他の人は口だけだったりしますから…


数々のジオラマを作り上げてきた山本さんも驚くほどのこだわりっぷり。
どうやら画像を送るだけでは飽き足らず、作業場にもよく通い、そこで修正をお願いし、また別の資料を送る、なんてことを繰り返していたのだそう。

山本さん

山本:何度も何度も追加の資料が来て、これ終わらないな…ってなったよwww

うーん、山本さん、お疲れ様でした(笑)
さて、それではそんな苦労の末にできあがった江戸の銭湯文化を再度振り返ってみよう。

江戸の銭湯
江戸の銭湯脱衣所ロッカー
湯船
川原には蕎麦の屋台
夜鷹

うーん、何回見ても圧巻のクオリティー…(゚A゚;)ゴクリ
これを調べ尽くした町田さんも町田さんなら、再現し尽くした山本さんも山本さんだよね。

ジオラマの着色は山本さんが担当。
人形の着色は町田さん。特に入れ墨にはこだわりがあるらしく、山本さんも「スゴイ」と唸るほどの出来だ。
ただし、こだわりが強すぎるのか、山本さん曰く「誰にでも入れ墨を入れちゃう」ところもあるそうな。

依頼主は憧れの人?昭和の映画館を再現した山本高樹最新作!

ジオラマ「映画館」

そんな山本さんが現在制作中の作品がこちら。
昭和30年代ころのゴジラ第一作上映館を再現してほしいという依頼らしく、このような感じでほぼほぼできあがっている様子。
この映画館のジオラマ作品の依頼主というのが、実は山本さんにとっては驚きの人物だったらしい。

80年代ごろにゴジラのガレージキットの原型師に凄腕の人がいたらしく、その作品はなんと84年のゴジラ映画のイメージポスターにも採用されたことがあるほどなんだとか。
その人物とは、いわゆる模型、特にゴジラの分野においてはレジェンドと称される原詠人さん。なんとその人物が山本さんにジオラマ作成を依頼してきたというのだ。

山本さん

山本:昭和幻風景っていうボクの作品集を出してくれた出版社経由で依頼が来たんだけど、「誰ですか?」「原詠人さんです」「えーーーーーーッ!?」ってなったよw

とそのときの驚きをとても楽しそうに振り返る。

映画館内部

映写室の様子まで完全再現!
しかも驚くのは、このジオラマのスクリーンには実際に映像を投影することが可能な造りになっているそうな…(゚A゚;)ゴクリ
その細かなギミックまでこだわる手法は、当然外観にも表れている。
モダンな建物や、第一作のポスターなどもすごい精密さなのが分かる。

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