あの精巧なジオラマ誕生のきっかけは?ジオラマ作家山本高樹さんが語る(1)

あの精巧なジオラマ誕生のきっかけは?ジオラマ作家山本高樹さんが語る(1)

今回は庶民文化研究の第一人者町田忍さんと、ジオラマ作家山本高樹さんの対談の模様をお届けしたい。あの「梅ちゃん先生」にも使われた超絶精密ジオラマを作り上げたジオラマ作家山本高樹さんと、町田さんが出会った馴れ初めに迫った。


山本高樹ワールドに溶け込む庶民文化研究所の町田忍所長

君はもう、あの精巧なジオラマを見たか!?

「梅ちゃん先生」にも使われたジオラマを作ったジオラマ作家の山本高樹さん。町田さんとの共作でいくつものジオラマ作品を世に生み出してきた。
ゴル横では、山本さんと町田さんの作品を何回にわけて記事化したが覚えているだろうか?
一度見たら忘れられないクオリティーのジオラマ作品。まだ見てないよ、という方のためにリンク集を用意してみたので、対談がはじまる前に予習してもらいたい!

ジオラマ作家山本高樹さんの作品を振り返る

「町田さんの生家」:https://goldenyokocho.jp/articles/729
「明神湯」:https://goldenyokocho.jp/articles/730
「江戸の銭湯」:https://goldenyokocho.jp/articles/692
「湯船」:https://goldenyokocho.jp/articles/731
「神田川の情景」:https://goldenyokocho.jp/articles/693
「神保町古書店街」:https://goldenyokocho.jp/articles/1505
「源ヶ橋温泉」:https://goldenyokocho.jp/articles/1603

潜入!昭和原風景の生まれる場所…

山本さんのアトリエ

町田さんのご紹介で、山本さんへの取材が叶ったゴル横編集部。
山本さんのアトリエは、自宅と兼用になっており、閑静な住宅街にあった。
早速アトリエへ…アトリエにはこんな感じで現在制作中のジオラマが置かれていた…おお…スゴイ!

このまま、アトリエを隅から隅まで見たい…のだが、まずは取材ということで別室へ移動。
山本さんと町田さんの興味深いお話をどうぞお楽しみくださいませ!m(_ _)m

山本さんと町田さん

ミノ:そもそもおふたりはどうしてお知り合いになられたんですか?

山本:そりゃあ、古い町並みのジオラマを作ろうってなったら、どうしてもやっぱり町田さんの本を読むことになるじゃないですか!w


なんでも、もともと古い建物などが好きだった山本さん。
いざジオラマを作ろうとなったときに参考にしたのが町田さんの数々の著書だったのだとか。町田さんの書籍を読み耽る山本さん。ある時、ご縁が生まれる。なんと「荷風」という雑誌でおふたりが連載を持つことに。

「荷風」をきっかけに山本さんから「町田さんの監修でぜひ銭湯を作りたい」と提案したことがはじまりだったそう。
そして、その最初の作品となったのが、明神湯のジオラマだったのだ!

ジオラマ「明神湯」

山本さんは町田さんの紹介で、明神湯を紹介され、実際に出かけて外観はもちろん、釜場や浴場の中まで写真に収め、制作をしていったそう。
確かにめちゃくちゃ細部まで作られてたもんなぁ、あれ…。

ジオラマ「明神湯」女湯

これだけ細かい作業なので、制作に費やした期間はおよそ3ヶ月…(゚A゚;)ゴクリ
山本さん曰く、あれだけ内部まで細かく作るのは、これくらいだったそうだ。ちなみにその理由は……

山本さん

山本:大先生の監修だからねぇ、下手なことできないよねw

とのこと。大変だったが、「勉強になった」と楽しそうに語っていた。それが、かれこれ12年ほど前のことだったとか。

幻風景を生み出す山本高樹の原風景

ここで、少し脱線して、山本さんがこれまで紹介してきたような美しい昭和の風景をジオラマにするに至るまでについて触れてみたいと思う。

町田:もともとは建築やってたんだっけ?

山本:いや、もともとはテレビの特撮とかCMとかで使うミニチュアを作ってましたよ。

そう話すとおり、もともと山本さんはいわゆるテレビの小道具などを作る美術さんだったそう。その時代にはNHKの科学番組で使うミニチュアの地球だとか、CMではシルバニアファミリーやガンプラなんかを手がけていたらしい。
もともと子どものころから模型なんかが好きで、さすがにジオラマまでは手を出さなかったそうだが、プラモデルなどはガッツリ作っていたそうな。まあ、でもアレはあの時代の男の子の通過儀礼みたいなもんだよね(;´∀`)

ただ、その後、高校生くらいになると8mmフィルムで自主制作映画なんかを作りはじめ、このときに怪獣映画用の町並みをミニチュアで作っていたんだそう。
そして、そのときの経験から映像の仕事を志すようになり、美術系の学校へ進む。

山本さんと町田さん

山本さんが進学先に選んだのは、なんとあの日活が運営していた日活芸術学院という撮影所に併設された学校!
そこで、セット作りのイロハを叩き込まれたほか、現場のアルバイトで腕を磨いていったそうだ。
なにしろ撮影所の中にある学校、周りには仕事が腐るほどあったとかw
しかも、当時はバブルの時代…学生のころから就職する間まで、とにかく目が回る忙しさだったようだ…これはもしやリアルモーレツ社員?(゜o゜;

ただ、そんな忙しい仕事と並行して、日本の古い町並みに興味を持ち、休みの日には古い建物が残る地方によくでかけて写真を撮っていたのだそう。
そして、徐々に時代が模型からCGが重用されるようになってきたタイミングで独立。
本当に作りたいと思えるジオラマを作る、今の生活に至るのだという。

山本さんと町田さん

ミノ:でも、そんな時代の移り変わるタイミングで、仕事やめるのは怖くなかったんですか?

山本:まあ、はっきり言えば仕事が無くなっちゃったんだよね。それでどうせなら自分のことを好きにやろうと…。

町田:でも、生活しなきゃいけないよね?どうやって生活してたの?

山本:どうやって生活してたのかな?………よく覚えてないんだよねwww

まずは山本さんと町田さんの馴れ初め、そして、山本さんのこれまでを振り返ってみたがいかがだっただろうか?これだけ素晴らしい作品を作る芸術家も、根っこの部分にプラモデルとか、世のオヤジにとっても馴染み深いものがあることがなんだかうれしく感じたw
まあ、その情熱をずっと持ち続けるのは大変なんだけどね…やっぱりなにかを成し遂げる人はスゴい!

関連する投稿


昭和 死語の世界 ~オー、モーレツ!~

昭和 死語の世界 ~オー、モーレツ!~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。今回はちょっぴり刺激的で、ちょっぴりセクシーな往年の名CMから生まれた死語「オー、モーレツ!」をご紹介!


デッキ型電気機関車 EF12形

デッキ型電気機関車 EF12形

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回はなつかしき国鉄時代、貨物を引っ張っていたデッキ型電気機関車「EF12」をご紹介。


工事現場の危険をかわいくお知らせ!アニマルガード

工事現場の危険をかわいくお知らせ!アニマルガード

工事現場といえば、無骨な機械が並ぶ危険な場所。だが、近年その工事現場の区画を示すバリケードがやたらとかわいいことになっている。今回は、かわいいバリケード「アニマルガード」を、庶民文化研究所・町田忍さんのコレクションから紹介しよう。


『仮面ライダーリバイス』『サウナを愛でたい』放送記念!キングオブ縁側『タカラ湯』さんの魅力に迫る!!

『仮面ライダーリバイス』『サウナを愛でたい』放送記念!キングオブ縁側『タカラ湯』さんの魅力に迫る!!

今回は、大人も子供も大注目の『仮面ライダー』新シリーズ(9/5からテレビ朝日系列で放送開始)のロケ地となり、サウナーさんたちに大人気の番組『サウナを愛でたい』(8/30、BS朝日で放送)にも登場の北千住の老舗銭湯・タカラ湯さんを今回はご紹介。


役行者(えんのぎょうじゃ)

役行者(えんのぎょうじゃ)

昭和を感じる生活用品や、家電、建物など、庶民文化研究所所長 町田忍画伯が描くイラストコレクション「昭和レトロ画帖」。今回は修験道の開祖として信仰を集める「役行者像」をご紹介。


最新の投稿


昭和 死語の世界 ~モーレツ社員~

昭和 死語の世界 ~モーレツ社員~

懐かしくてちょっと痛々しい…昭和に咲き誇り、今や死に絶えた言葉を紹介する「死語の世界」。今回は昭和の勢いを思わせる「モーレツ社員」をご紹介。


【クルマニアックイズ】379本目

【クルマニアックイズ】379本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!


【クルマニアックイズ】378本目

【クルマニアックイズ】378本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!


ジープ | 三菱 - 米ウィリス社のノックダウン生産から始まった

ジープ | 三菱 - 米ウィリス社のノックダウン生産から始まった

三菱のジープは米ウィリス社のジープを警察予備隊向けにノックダウン生産したことから始まったんだ。


【クルマニアックイズ】377本目

【クルマニアックイズ】377本目

あなたの車愛を試すガチンコ三択クイズ!今すぐチャレンジ!