『こんなものを買った』DENON DP-3000

『こんなものを買った』DENON DP-3000

次号のステレオ時代のために、35年ぶりくらいに、改めてレコードプレーヤーについて研究しているところです。深い! 深すぎる。そして行き着いたのが「自分でシステムを組む」という楽しみだったのです。


大人の階段上がった気分

いろいろなシステムを見てきましたが

レコードプレーヤーの傑作は数多いです。先ごろ最新モデルMK7が発売されたテクニクスSL-1200、ヤマハGT-2000、ケンウッドKP-1100……。ですが70年代から開発に携わっていらっしゃった方々のご自宅にお邪魔して、出会う確率が高いのが、ターンテーブルとトーンアームを自分でキャビネットに組み込むシステムです。
もちろん私がオーディオ趣味に足を踏み入れた80年代でもマイクロは健在でしたし、SP-10だって現役でした。トーンアームもサエクやグレース、FR、オーディオ・テクニカなんかも普通に作ってましたし。ただCDが出るとか言ってるときにレコードプレーヤーに何十万って学生には非現実的過ぎて…。
でも、いま大人になった目でそのシステムがかっこいいんですよ。巨大な自作のキャビネットだったりして。カートリッジもいくつもあってね…。
ところが、ふとヤフオク!を見てみると、ターンテーブル、けっこう安いんですね! そりゃ70年代のものだから当たり前って思うかもしれませんが、ターンテーブルとトーンアームを別々に組み合わせるっていう夢、意外と現実的!?

調べること数ヶ月

とはいえ、やはり勇気が出ないんですよ。持て余すかな、とか、ちゃんと動くのかな、とか。悩みに悩んで、これなら行けるかも、というターンテーブルがいくつか見つかりました。ビクターTT-71かデンオンDP-3000です。
いずれも中級機でそれなりに台数も出て、値ごなれしてます。どっちでもいいかな、とは思いましたが、タマ数はDP-3000のが圧倒的に多いですね。またジャンク(=動作未確認)の割合が少ない。さすが放送機器で鍛えられたデンオン。ヤマハのGTシリーズがビクターのモーターだったと聞き、ちょっとビクターのターンテーブルも気になっていたのですが、今回はデンオンでいきます。これがだいたい1万円弱。
さてプレーヤーのシステムはターンテーブル、トーンアーム、キャビネットからなります。前述のとおりキャビネットは自作でもいいのですが、なかなかハードルが高い。幸いDP-3000に対応したデンオン純正キャビネットDK-100がわりと安価で流通してます。これも1万円しないくらい。
またトーンアームは最終目標としてはサエクなりFRなりグレースなり専門メーカーのものを入手したいのですが、こちら大変人気で中古価格が高騰中。ただデンオンやビクター、ソニーあたりだとやや手頃で大体1万から1万5000円くらい。
ということでバラバラで買うと3万円強というところでしょうか。ところが、すでに組んであるものだと大体2万円弱で落札されているのです。好みの組み合わせとは限りませんが、キャビネットに穴を開けてトーンアームを取り付ける、というハードルの高い作業はとりあえず回避できるうえに安いので今回はこれで行きます。
と、こんな流れで納得のコンディション、納得の価格で落札したのがこちらです!

古い白木なのでヤケムラがありますが、まあまあではないでしょうか。いずれキレイにするとして、ダストカバーに割れもなくくもりも少ないのはプラスポイントですね。

さっそく回してみます

プラッターは外して送られてきてますので乗っけます。
プラッターの位置検出用の磁気ヘッド(本当にデッキのヘッドみたいなもの)がプラッターの取り外し時はぶつからないように退避しているので、検出できる位置にします。そうしないとサーボが働かないようです。

では回してみましょう。

あらら。まったく収まりません。ん、そういえば50Hz/60Hz切り替えはどうしてましたっけ。このターンテーブルはクォーツ制御ではなく交流周波数タイプなので切り替えスイッチがあったはず。プラッターを再び外してみるとスイッチがあり、やはり60Hzになってました。

またストロボスコープはターンテーブル本体に内蔵しているものをミラーでのぞき窓に映す方式のようですが、50Hz用のストロボスコープ列と60Hz用のストロボスコープ列はミラーの位置でどちらを映すか変えています。なのでミラーの位置も50Hzに変更。

これでよし。プラッターを戻し回してみます。

今度はばっちりです。良かったー。

トーンアームはどうかな…?

トーンアームはケーブルとウエイトが取り外された状態だったので両方取り付けます。出品者によれば型番不明とのことですが、たまに同デザインのアームがDP-3000と組み合わされて出品されているので、デンオンのアームと思われます。
カートリッジは前所有者の方が使っていたと思われるオーテクのVM。針圧は1.5gくらいかな。

手近にあったキョンキョンのシングルをかけてみます。おお安心感のある音! SL-MA1のキラキラした高域とは全く違う音がします。

ところがちょっとすると「ぶち」っといって同じフレーズを繰り返すではないですか。あっちゃー。すぐに針を上げトーンアームを動かしてみます。
うーん若干フリクションが大きい気も。多少針圧を変えても、インサイドフォースキャンセラーを0にしても同じなので、これはトーンアームがダメなのかなあ。メンテに出す手もありますが、良いトーンアームということもなさそうだし。
よし、トーンアームも買うしかない! というわけで、次回に続きます。

ゴールデン横丁の仲間たち | 澤村 信(さわむら まこと)

https://goldenyokocho.jp/articles/675

かつてのオーディオブームを体験した世代にはたまらないムック本『ステレオ時代』(ネコ・パブリッシング)の編集長。ゴル横会長たっての願いを快く受け入れ、オーディオ愛あふれるコラムをゴル横に書き下ろしていただくことになりました!

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