アントニオ猪木「最後」の格闘技戦。 熊殺しウィリー・ウィリアムスの戦慄。

アントニオ猪木「最後」の格闘技戦。 熊殺しウィリー・ウィリアムスの戦慄。

スポーツフォトグラファー原悦生さんが蔵出しの写真と切れ味鋭いコラムでレスラーたちの汗と涙と熱狂の記憶を呼び覚まします。今回は「アントニオ猪木「最後」の格闘技戦。 熊殺しウィリー・ウィリアムスの戦慄。」をお届けします。


アントニオ猪木「最後」の格闘技戦。 熊殺しウィリー・ウィリアムスの戦慄。

ウイリー・ウイリス対アントニオ猪木

1980年2月27日。
あの蔵前国技館の殺伐とした空間を忘れることはできない。
なんか薄暗く陰湿でピリピリした緊張が国技館を覆っていた。

オランダの柔道王「赤鬼」ウィレム・ルスカに始まったアントニオ猪木の「格闘技世界一決定戦」も最後を迎えようとしていた。

極真空手のウィリー・ウィリアムスは「史上最強のカラテPart2」に出演して、カナダの巨大熊グリズリーと戦って「熊殺し」の異名を得ていた。

梶原一騎が仲を取り持つような形で実現にこぎつけた猪木とウィリーの一戦だが、互いに負けが許されない状況に変わりはなかった。

他流試合ということでウィリーは極真会館から破門された。

それでも、プロレスvs空手、新日本プロレスvs極真空手に変わりななかった。
看板を背負った大一番に、周囲のピリピリ感は異常なほどだった。

両サイドのセコンド陣にも緊張感が奔っていた。一触即発、何が起こってもおかしくない。
猪木側のセコンドからは星野勘太郎が鋭い視線を投げていた。ウィリー側のセコンドの頭はアメリカにいた大山茂だった。

3分15ラウンド。
ウィリーの速い前蹴り、飛び蹴りが猪木に襲い掛かった。
猪木がウィリーの腕を取りに行くと、ウィリーの下からの蹴りが猪木の顔面を鋭く捕らえた。

第4ラウンド。
猪木とウィリーがもつれて場外に落ちた。
猪木がウィリー腕を取って十字固めに入った時に、血相を変えた双方のセコンドがそこに殺到した。

猪木にも無数の蹴りが飛んできたという。

ウィリーは腕を脱臼。猪木はアバラを負傷した。

裁定はドクターストップの痛み分けだった。
これ以上やらしたら、本当にどうなるかわからなかった。

ゴールデン横丁の仲間たち | 原 悦生(はら えつお)

https://goldenyokocho.jp/articles/672

16歳からプロレスを撮り始める。スポニチの写真記者を経て、1986年からフリーランス。アントニオ猪木とイラク、キューバ、北朝鮮など世界中を旅した。サッカーではUEFAチャンピオンズリーグの常連で、ワールドカップは8回取材している。プロレスの著書には「猪木の夢」「INOKI」「Battle of 21st」などがある。国際スポーツ記者協会(AIPS)会員。 FootballWorldで食べまくり!

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