『こんなものを買った』Technics SL-5

『こんなものを買った』Technics SL-5


意外と安定感のある音!

リニアトラッキングはもともとはトラッキングエラーとインサイドフォースをどうにかしよう、という方式だったはずです。ただSL-10は、あの工芸品のようなアームを使わなくてすむ、という利点を活かし、アーム機構をダストカバーに組み込んでしまったものでした。つまり省スペース。SL-5も音というより、デザインやコンパクトさに重点が置かれています。
それは重々承知だったのですが、実際にレコードをかけてみると、意外と安定感のあるしっかりした音にびっくり。

ダストカバーを締めた状態でも針がどの位置にあるかわかるようにLEDがアームについています。演奏中の様子を覗いてみると、カートリッジがけっこう左右に動いてます。
SL-5はカタログによるとトラッキングエラーが0.1度になると光学センサーで感知してアームの基部をモーターで動かす仕組みだそうです。
図はナショナル・テクニカル・リポートVol.26に掲載されたSL-10のものですが、SL-5も大体同じと考えてよいでしょう。

これはアーム部分を上から見た図で、右のアーム部が溝をトレースしているうちに、軸受部を支点にして角度がついていきます。それが0.1度になると左上のモーターが動き、アームを駆動する、という仕組みですね。
でも目視してピコピコ動いてるということは0.1度ってことはないんじゃないかなあ。
とはいえ、音を聴いている限り違和感はないので、良しとしますか。
それにしてもなんと簡単なのでしょう。まるでCDです。
これが5000円。レコードを始める方にはもってこいではないですか。ただ「プレーヤーはセッティングこそが楽しみだ」という方には物足りないでしょうけど。

さて、リニアトラッキングプレーヤーが普通の人も使えるものになったのが1978年として、ミニコンなどに普及していくのが1980年くらい。でも1982年にはCDが登場し、簡単に音楽を聴くならCD、というふうになってしまいます。
もしCDの誕生がもっと遅くて、レコードプレーヤーが進化し続けたらリニアトラッキングはもっと使いやすくて高音質になっていったかもしれませんね。

ゴールデン横丁の仲間たち | 澤村 信(さわむら まこと)

https://goldenyokocho.jp/articles/675

かつてのオーディオブームを体験した世代にはたまらないムック本『ステレオ時代』(ネコ・パブリッシング)の編集長。ゴル横会長たっての願いを快く受け入れ、オーディオ愛あふれるコラムをゴル横に書き下ろしていただくことになりました!

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