ZX-7/Nakamichi - テープマニアに贈る高性能デッキ

ZX-7/Nakamichi - テープマニアに贈る高性能デッキ

ZX-7は、ユーザーが多彩なキャリブレーション機能を屈指してシビアな調整をすることで、テープ性能の限界を引き出す。まさにテープマニアの為のテープデッキです。


ナカミチ ZX-7

私の第一印象は、カセットデッキを操作するのに、何故こんなに多くのツマミがあるのかということでした。しかし、カタログの説明を読み進めると、無駄なスイッチは無く、必要なスイッチが適切な場所に配置されていることが分かりました。例えるなら、コックピットデザインと言えましょう。また、当時はシルバーボディの製品が多い中で、漆黒のブラックボディに赤く光るレベルメーターやインジケータも、斬新で印象的でした。

このモデルは、全自動でキャリブレーションを行う1000ZXL/700ZXL、付属ドライバーでキャリブレーションを行う58シリーズや68シリーズと異なり、フロントパネルは指で操作ができる調整ノブを設け、ユーザーにキャリブレーションしてもらおうという明確なコンセプトが感じられます。

それでは、そのキャリブレーション部分から見ていきましょう。

キャリブレーション

同じメーカー、同一モデルのテープでも厳密にみれば、1巻ごとに特性は変わります。ましてや、モデル違い、メーカーが違えば、特性が大きく変わるのは明白です。
併せて、テープシェルの精度より、A面とB面とでアジマスも変わります。このことから、ZX-7では、録音ヘッドアジマス、テープ感度、バイアスをテープポジション毎、左右独立して調整出来るようになっています。

[録音ヘッドアジマス調整]

ナカミチ zx-7 アジマスつまみ
ナカミチ zx-7 アジマス調整

アジマスがずれていると、左右にあるインジケータ(緑)が点灯します。アジマス調整ノブを、右のインジケータが点灯している場合は左に廻し、左のインジケータが点灯している場合は右に廻し、中央のインジケータ(赤)が点灯するように操作します。

[テープ感度調整]

ナカミチ zx-7 レベル調整

レベルメーター表示がCALの位置に合うように、テープ感度調整ノブを操作します。
該当するテープ感度調整ノブのインジケータが点灯し、調整すべき調整ノブを示してくれるという親切設計です。

[バイアス調整]

ナカミチ zx-7 バイアス調整

レベルメーター表示がCALの位置に合うように、バイアス調整ノブを操作します。
(バイアス調整時には、メーター感度が20dBアップしています)
Resetボタンを押下して、キャリブレーションを終了させると、テープは自動でキャリブレーション開始時の位置まで巻き戻されます。

マイクロプロセッサーによるメカニズムコントロール

ナカミチ zx-7 マイクロプロセッサー

ナカミチはオリジナル・サイレント・メカを採用したときから、N-MOS4ビットマイクロプロセッサーがメカニズムをコントロールする仕様になりました。それまではマイコンではなく、ディスクリートでロジック回路を組んでいたため、シンプルな動作制御のみでした。しかし、マイコンを採用したことより、きめ細かい制御が出来る様になり、オートプレイバック、イージーキューイング、後追い録音など多機能化されました。

マスターフェーダーコントロール

ナカミチ zx-7 マスターフェーダーコントロール

録音レベルを左右独立ボリュームでセットした後は、マスターフェーダーコントロールボタンを押すだけで、フェードイン、フェードアウトを自動的に行うことが出来ます。しかも、このマスターフェードコントロールは、1回押して離すと6秒間、押したままでいると2秒間の2スピードが選べるのです。この機能により、設定した録音レベルを変更することなく、フェードイン、フェードアウトを簡単に行えるようになります。余談ですが、このマスターフェーダーコントロールにはLED(発光ダイオード)とCdsセル(硫化カドミウム)を組み合わせた「アナログフォトカプラー」が使われています。

サイレントメカニズム

ナカミチ zx-7 サイレントメカニズム

ナカミチは1978年に、1000/700とほぼ同等のトータルクオリティを持った2ヘッドカセットデッキとして580というモデルをリリース。このモデルには、新開発されたモーターによる「サイレントメカニズム」が搭載されました。サイレントメカニズムは、モーターやその他の回転体から生じる振動を減じるため、共振制動メカニズムを採用。シャーシの材質と構造から検討を加え、鉄よりもはるかに減衰特性の大きなアルミを主体としたシャーシとし、さらに樹脂成型パートとの組合せで有害な振動を防いでいます。ZX-7では、580から始まった「サイレントメカニズム」に、3ヘッド及び録音アジマス調整機能を搭載しています。このサイレントメカニズムですが、私が修理やメンテナンス作業をする中で、色々と感じるところがあって書きたいところですが、それだけでかなりのボリュームとなってしまいます。サイレントメカニズムについては、また回を改めて取り上げたいと思います。

周波数分散型ダブルキャプスタン

ナカミチ zx-7 周波数分散型ダブルキャプスタン

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