家電蒐集家の夢とは?家電の賢人・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんの対談・下

家電蒐集家の夢とは?家電の賢人・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんの対談・下

今回で3回目となる家電蒐集家・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんによる対談。前回、前々回と松崎さんの秘密の倉庫の様子や、ソニーグッズ3点を中心とした家電知識を披露していただいた。 第3回はそんな好きなことをして生きてきたオヤジたちの懐かし家電への思いや、思い出、さらにこれから先の話について語ってもらった!アツい男たちの思いをぜひ受け止めてみてほしい。


結局、家電の魅力ってなんなのさ?

松崎:町田さんもある意味、蒐集家って言っていいんですかね?
町田:まあ、生活の中で集めているだけだけどね
松崎:庶民文化研究の資料として収集しているような感じですよね。銭湯一つとっても「どうしてそれがそうなっているのか」とかそれが出来た背景を掘り下げててすごいなーって思います。納得感がありますよねw
一同:確かに……
松崎:僕の場合は、日本の古いものをリスペクトするために必要なツールとして集めているところがあるかな?

そう語る松崎さんは、昔の日本の家電、とりわけラジカセに対してアツい思いがある様子。前回少し出てきたように、松崎さんは中学高校と青春時代をBCLラジオ、アマチュア無線にどっぷりハマって過ごしてきたらしい。どれくらいハマったかというと、「勉強した記憶がない(松崎談)」というくらい、毎夜毎夜ラジオを聞いたり、交信したりしていたそうな……(;´∀`)

アマチュア無線では、海外の人とよく交信をしていたので、他の科目はさんざんだったらしいが、英語の成績だけは5段階評価でいちばん上の「5」だったというから面白い。

また、アマチュア無線の免許取得の勉強も苦じゃなかったという。やはり、好きこそものの上手なれ、ってことかな?そんな松崎さんに日本の家電の魅力について、ちょっと聞いてみた!

松崎:やっぱり70年代~80年代のものがカッコいいよね!国内生産されていたときは、ガラパゴス的というか、独創的な、奇天烈なものがいっぱいあったよね。僕が初めて親に買ってもらったラジオがこれなんだけど

と言って見せてくれたのが、こちらのクーガ115!うーん、これもまたカッコいい……。で、しかもこの話の流れで続々とBCLラジオが登場していくのだから、さすが松崎さんであるw

松崎:やっぱりねー。オヤジはこういうボタンとかアンテナとかにやられちゃうんですよ。こうやってボタンがいっぱい並んでるだけで満足w
ミノ:確かにメカメカしくてカッコいい……

松崎さんによると、いまはスマホなどのようにそれ1台でなんでも出来てしまうものがあり、とても便利だけど、ちょっと味気ないと感じているという。やっぱり「モノ」として所有することが嬉しくなるものがないのが少し寂しいそう。

反面、昔のものには「モノ」として持っておきたい魅力があるという。特に、こうした日常的に使っていたもの、音を奏でるものというのはみんな愛着があるようで、また昔のように使いたいという願望は、特に昭和生まれのオヤジはみんな少なからず持ってるのではないだろうか。

深センのスマホの工場設立以来、ものづくりのノウハウは中国に集まりはじめ、今ではものづくりというと中国を外しては語れないという。なにせ、本当に1週間くらいで試作機を作ってしまうというのだから驚きだ。

もはや製造力という点では中国には敵わないのかもしれない。しかし、それでも松崎さんは日本のものづくりの発想にはスゴイものがあると確信しており、今後はそうした発想力が大事になってくるという。だからこそ、世界を席巻していた当時の日本のものづくりを今に伝えたいのだそうだ。

世界に誇る日本のラジカセをもっと知ってほしい!

松崎:やっぱりね、「モノ」を集めることの1つの課題として、誰かに観てもらいたいっていうのがあるんだよね。
町田:僕の知り合いにも、車の工場を居抜きで使って、信号とか街灯まで集めちゃうような人がいるけど……
松崎:あれ?もしかして、伊賀のほうにお住まいの?
町田:そうそう!彼もね、昭和レトロ博物館とかやりたいんだってw

なんだかまた意外な共通の人脈が見つかったのは置いておいて、松崎さんはもちろん、町田さんなど蒐集家のみなさんはやはり誰かにこのコレクションを観てもらいたい、という願望があるらしい。

松崎:行政とかが動いてやってくれるといいんだけどね。いまは個人が頑張ってるけど、オリンピックもあるんだし、こういうコレクションを集めて、晴海とかで博物館作ったら絶対外国人に人気が出ると思うんだけどなぁ~
町田:科学技術館とかで常設でやればいいのに……。変な企画展とかよりも全然いいと思うけどなぁ( ´Д`)=3

などなど、不満も出たり……(;´∀`) しかし、そんな行政の重い腰を待たずに、松崎さんは松崎さんで動いてもいるらしい。

なんでもJR某日本とタッグを組んで、そうした懐かしいものを集めて、昭和の街並みを再現したような施設を作る計画があるんだとか。そこでラジカセ館でも出そうかな、とうれしそうに語ってくれた。……うーん、それは本当に楽しそう!

昭和を伝える伝道師

最後に、これからの日本のものづくりについて松崎さんの熱い思いを語ってもらった。

松崎:やっぱり、今の若い人たちにこうした昔の家電のよさを引き継いでいきたいと思いますね。今はなんでもスマホで出来て、「モノ」を持たないのがステータスってところがあるけど、昔みたく「いいものを長く愛でる」っていうほうが結局エコな気がするんだよね

いいものを長く愛でる生活が、いつしか大量生産大量消費の社会になり、そしていまは様々なものがコンパクトにまとまり、シンプルな生活が求められるようになってきている。

ファッションだって、流行のものを安く買って、旬が過ぎたら捨ててしまうようなところがあったりする。モノ自体だけではなくて、目を輝かせてモノを欲して、それを大事に使っていたあの頃のように「いいものを長く愛でる」ライフスタイルまで伝えていきたいのだそう。

確かに、ファッションでも◯年もののデニムとか、革ジャンとかあったよなぁ。さらに言えば、昔のモノにはいま現在、世界に取り残されつつある日本のものづくりを救う、独創的な発想力があるとも松崎さんは言う。そうした古い時代の、でも素敵な技術や文化を残して伝えていくって、なんかいいなぁ……。

松崎:でもね、若い子も昔の家電を見ると、やっぱり「カッコいい」って言うんですよ!でもそれに触れる機会がない。だからわたしはそれを布教していく伝道師になりたいんです!

だから、昔の懐かしいモノを集めるということは、家族に不評を買うオヤジ趣味じゃなくて、むしろ昔の文化を守るための尊い戦いなのである!!!……たぶんw

まあ、そこまで開き直るのは難しいかもしれないけど、オヤジたちがチカラを合わせれば、昭和のあの輝かしい思い出を後生に残すことが出来るかもしれない。そして、若者文化といつか融合して、活気あふれる日本が再び蘇ることができればいいなぁ……。そんなふうに思うまとめだった。

微力ながら我がゴル横も「懐かしくてホッとする文化」を広く伝えていこうと思う。

今回ご協力いただいたお店

デザインアンダーグラウンド
 東京都足立区南花畑5-15 都営保木間第5団地14号棟

ラジカセ天国で家電蒐集家・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんの対談・上

https://goldenyokocho.jp/articles/256

「好きなことして生きてきた」。 庶民文化研究家・町田忍さんをはじめ、ゴル横には昭和生まれのオヤジが憧れるオヤジがたくさんいる。家電蒐集家の松崎順一さんもその一人。 ふたりの生き様がぶつかりあったらどんな対談になるのかね?と対談企画が持ち上がる。…いやぁ、やっぱりこのオヤジたち、深いわ(;´∀`)

ソニー製品で盛り上がる!家電蒐集家・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんの対談・中

https://goldenyokocho.jp/articles/258

前回は家電蒐集家である松崎順一さんの秘密の倉庫を訪れ、まずはその馴れ初めを伺ったゴル横一行。庶民文化研究家・町田忍さんと松崎順一さんの対談はその後、ますます盛り上がりを見せることになる。2人とも好きなことの話だから、話がやめられない、とまらない! 今回の話の中心は、町田さんが持ち込んだお宝ソニー製品3点。さて、どんな話が飛び出すことやらw

ラジオに青春を捧げた昭和男たちのBCLエピソード!家電蒐集家と庶民文化研究家がBCLラジオを語る

https://goldenyokocho.jp/articles/189

ゴル横でも折に触れて話題にのぼる「BCLラジオ」。家電蒐集家・松崎順一さんと庶民文化研究家・町田忍さんの対談のなかでも当然のようにBCLラジオの話題になった。昭和生まれのオヤジ世代はみんなBCLラジオの虜、なんだよね?いわば昭和の必修科目? というわけで、オヤジの中でも筋金入りのオヤジ、町田忍と松崎順一がBCLラジオの思い出を語る!

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