ダンプ松本、その極悪な暴れっぷり。

ダンプ松本、その極悪な暴れっぷり。

スポーツフォトグラファー原悦生さんが蔵出しの写真と切れ味鋭いコラムでレスラーたちの汗と涙と熱狂の記憶を呼び覚まします。今回は「ダンプ松本、その極悪な暴れっぷり。」をお届けします。


ダンプ松本、その極悪な暴れっぷり。

ダンプ松本

ダンプ松本の暴れっぷりは尋常ではなかった。

1984年から1985年、当時の全日本女子プロレスのリングは無法地帯で何でも許された。阿部四郎のような悪に魂を売ったレフェリーも公然と存在していた。

ダンプは、イスはもちろん、ムチやチェーン、灯油缶、机など何でもリングに持ち込んで、長与千種を徹底して追い込んでいった。

人気絶頂のクラッシュギャルズの長与がダンプの凶器攻撃に流血すると、少女ファンの悲鳴が体育館を占拠した。

ダンプとリングサイドのテレビのハンディ・カメラマンの対決もお決まりのように繰り返された。ダンプは竹刀でカメラやその持つ手を容赦なく叩いた。それでもカメラを放さないカメラマンとダンプの意地の張り合いのような対決が妙にリアルだった。

ダンプがブレイクするのは、1984年にマスクド・ユウと極悪同盟を結成してからだ。顔にはペインティングを施して、悪の化身であることを強調した。
極悪同盟の手下にはブル中野もいた。ダンプのそんな姿を見ていなかったら、ブルも成長しなかったかもしれない。

極悪同盟とクラッシュギャルズの抗争は各地で繰り返されたが、ダンプがついにハサミを持ち出したことで、壮絶な髪切りデスマッチへと向かって行く。

1985年8月28日、ダンプは大阪城ホールで長与と髪の毛をかけた戦いに挑む。「カベジェラ・コントラ・カベジェラ」――メキシコマットで伝統的に行われてきた完全決着戦だ。敗者は坊主頭をさらして「ペロン」と卑下されるのだ。

この試合には、メキシコからレフェリーも招聘された。
試合は大混乱に陥ったが、最後はダンプが大流血の長与をイスで殴り倒してノックアウト、長与の髪にバリカンを入れた。

ゴールデン横丁の仲間たち | 原 悦生(はら えつお)

https://goldenyokocho.jp/articles/672

16歳からプロレスを撮り始める。スポニチの写真記者を経て、1986年からフリーランス。アントニオ猪木とイラク、キューバ、北朝鮮など世界中を旅した。サッカーではUEFAチャンピオンズリーグの常連で、ワールドカップは8回取材している。プロレスの著書には「猪木の夢」「INOKI」「Battle of 21st」などがある。国際スポーツ記者協会(AIPS)会員。 FootballWorldで食べまくり!

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