セキネサイクル 風と走るセキネサイクル総合カタログ

セキネサイクル 風と走るセキネサイクル総合カタログ

家電蒐集家松崎が考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回はキャンディーズが引退宣言をした1977年に発行されたセキネサイクルの総合カタログを取り上げます。


昭和時代の自転車は皆んなのステータスシンボルだった。

昭和という時代は現代と比べると物がまだまだ乏しかったと思っている。筆者が小学生の頃親父が購入した自動車に近所から羨望の眼差しが注いだ記憶がある。それは普通の乗用車だったが家に納車された時はとても無性に嬉しかった。この頃自動車やオーディオ製品などはまだ少し贅沢品だった感がある。

そして今回紹介するカタログは77年、筆者が17歳の時に発刊されたセキネサイクルの総合カタログだ。セキネサイクルは当時東京の荒川区にあった自転車メーカーだ。
表紙はイラストがなんとも良い雰囲気をかもし出している。
カッコいいのもいいがほのぼのタッチのイラストが当時の自転車の世界観を表している。

この頃は自転車メーカーも大変多かったが全国的に知られていたのはコマーシャルもよくやっていたマルキン自転車だ。ただマルキン自転車はこの年に倒産していて別の会社が商標を受け継いで今に至っている。

昭和の自転車と言うと50代の男性なら異口同音に出てくるのが「フラッシャー付き自転車」だ。77年のカタログにもまだこの自転車が表紙の次のページに登場している。セミドロップハンドルやヘッドランプ、そして変速ギア、テールライトなど、もうこれは自転車ではなく男のロマンを感じさせるマシンと言ったほうが良いかもしれない。

筆者も小学生の時はフラッシャー付き自転車に憧れた。ただ価格は当時で5万円前後もしてかなり高価な自転車だった。因みに駄菓子屋でベビースターラーメンが20円、少年漫画雑誌が70円位の時代の5万円はもう殆ど手が届かない存在だった。

ではカタログに戻ろう。フラッシャー付き自転車の中でもテールランプが大きく方向指示器が付いたタイプが一番カッコよかった。カタログではガルーダ245FF-DFがそのタイプだろうか。他のタイプと価格差はほとんど無いがカタログの下段にあることから77年より前の製品だと思われる。

また、子供用の自転車を見るとグレンダイザー仕様も見受けられる。その上段にあるパワーM、Sや、セキネ等の実用車も色やデザインが実に昭和を感じさせる。

昭和のカタログは表紙やグラフィック、文章など、その時代の流行を反映していしている表現が多くカタログを読み取ると時代が見えてくるのである。

平成の今には無い独特の昭和感をカタログとともに今後ご一緒に味わって欲しいと思っています。

出典: セキネサイクル総合カタログ (1977年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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