ステレオ時代の心のふるさと 岩手県の三共無線 Part1…本店

ステレオ時代の心のふるさと 岩手県の三共無線 Part1…本店

岩手県紫波郡矢巾町にある三共無線。もともとは現社長がラジオの製作、修理などで始めたお店だそうです。その後オーディオブームがありバブルとその崩壊があり、オーディオを巡るさまざまな環境の変化を経たお店です。


岩手に名店あり

かつて、日本の各地にオーディオの名店・専門店があり、とくに秋葉原や日本橋のない地方においては、その専門店が情報発信の場であり、オーディオの教室でもありました。そうしたお店の店主さんはさながらオーディオの先生。お客さんは生徒。先生の権威はメディアで活躍される評論家の先生にも匹敵するものだったようです。

もしかすると、この三共無線もかつてはそんなお店だったのかもしれません。ですが、いまは手の届きやすい中古品を中心とした、とてもフレンドリーなお店になっています。各地の専門店が閉店を余儀なくされた中、今でも三共無線が健在なのはそうした理由だったのかもしれません。

ただし、この三協無線、ただの中古オーディオ店だと思ってはいけません。そのカオスっぷりはまるでテーマパーク。訪れたものを混乱させること請け合いです。今回はその魅力の一端をおとどけすることにいたしましょう。

(注意)今回使用した写真は、2014年11月に『ステレオ時代』が初めて訪問した際のものです。現在では在庫も整理され、商品も大半は入れ替わっています。とくにカセットテープなどは、『ステレオ時代』で紹介された後、全国から注文がきてほぼ完売したようです。

舞い込んだタレコミ情報

以前ご挨拶でも書きましたが、手探りで始めた『ステレオ時代』。なにしろ情報が足りなかったため、誌面で様々な情報を募りました。その中のひとつに「近所の中古オーディオ店を教えてください」というものがありました。その募集に応じて、2名の方が同じお店を紹介してくださいました。それが岩手県の三共無線でした。

晩秋の岩手はなかなか寒く、どんよりと曇った空が、良く言えば歴史のありそうな、悪く言えば古びた建物にマッチしていました。

なにしろ事前情報もほとんどなしに伺ったため、ドアを開けるまでドキドキです。
「こんにちは~」
ドアを開けいきなり目についたのは積まれた中古と思しきコンポと、棚から溢れ床の箱にも詰め込まれたレコードの山。ビンゴ! 『ステレオ時代』にはぴったりのお店です。
さらにドアをくぐった左手には、なんと懐かしいTDKのカセット陳列棚!

テンションはMAXです。とりあえずカセットの前にあったテーブルにいらしたご年配の男性に名前を告げると、「ああ、聞いてます」と名刺をくださいました。小林克行さん、三共無線の社長さんでした。「詳しい話は専務に聞いてください」と、いずこかへ電話をしてくださり、ほどなく私よりちょっと年上の男性がやってきていろいろとお話くださいました。

ただ私はといえば、お話をうかがいながらも店内をちらちらと見える範囲で物色。確かに品揃えはなかなかなものです。感心するのは、売れそうなものを並べているのではなく、ヴィンテージで貴重なものから、ほぼガラクタの域にあるものまで脈絡はあまりありません。年代も1960年代から2000年以降のものもありそうです。
話をそこそこで切り上げ、「店内を拝見してもいいですか」と自由に見させていただくことに。

ただの中古オーディオ店にあらず

失礼ですが、岩手県の、それも盛岡市内でもないのに、よくぞここまで集めたなあ、という感じです。しかも、ところどころ『売約済』の札が見えるように、そこそこ在庫は動いているようでした。
レコードも相当な量です。デッドストックも多く、なんとLDもけっこうありました。
さらにこのカセットデッキの量。もう浮足立ってしまって、その場ではアタマがフリーズ状態。後で写真をじっくり見てなんで買ってこなかったんだろう、というものがいくつもありました。

さらにこのカセットデッキの量。もう浮足立ってしまって、その場ではアタマがフリーズ状態。後で写真をじっくり見てなんで買ってこなかったんだろう、というものがいくつもありました。

いまこれだけカセットデッキを並べられるお店がどれだけあるでしょうか。

さらにDATコーナーも!? 目を疑います。その脇のアクリルケースにはTDKのDAT生テープもたっぷり。1巻1000円は今となってはそれほど高くはないでしょう。10本入りの箱もあり。おっとその下にあるのはエクセリア(アイワの高級ブランド)が作った世界初の市販DATデッキ、XD-001です。

さらに店の奥には、ターンテーブルがずらり。マイクロなど一部の高級機を除くと1~2万で買える程度。最近ターンテーブルが人気と見ると、急に値段を上げてくるリサイクルショップがあるなか、とてもリーズナブルです。

交換針などオーディオまわりのアクセサリーが並ぶケース。とりとめのない感じですが、奥にはローディの自走式レコードクリーナーもあります。店内にはこんな感じのケースがいくつもあります。

三共無線のメモリアルコーナーです。ニッパーやノベルティ類は当時のものや、あとからなんとなく集まってきたものと思われます。非売品と販売品がごっちゃになってますね。

本店裏にある『秘境』

「すごい……」。昔は秋葉原あたりにも、こうした値がつくんだかつかないんだか分からないような商品を売る店もあったように思いますが、最近はちゃんとしたものをちゃんとした値段で売る店ばかりになってしまったように感じます。もちろん安心して買えるのは良いのですが、掘り出しモノは少なくなりました。

そんななか、程度と年式と当時の価格から、納得の値付けをしている三共無線は尊敬に値します。そんなことを考えながら見ていると専務が「じゃあ、もうひとつのお店の方をご案内します」と。えっ、まだあるの!?と驚いたのですが、もうひとつの店舗『ビッグガレージ』にはさらに驚愕の風景が広がっていたのです。〈つづく〉

※冒頭にも記しましたが、この写真は2014年11月に、本誌が初めて伺った際の写真です。写っている商品の大半は入れ替わっていると思われますので、実際に訪問する際はご注意ください。

取材協力

岩手県盛岡市|三共無線 株式会社 [オフィシャルサイト]|オーディオ販売、レコード販売、

http://sankyo-musen.com/

岩手県盛岡市にある三共無線株式会社のオフィシャルサイトです。オーディオやレコード、スピーカー、音を求めるに人のお手伝いをさせて頂いております。

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