デュアルステレオ アンド ハイフィデリティ カタログ

デュアルステレオ アンド ハイフィデリティ カタログ

家電蒐集家松崎順一さんが考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回は1972年のドイツ、デュアル社のオーディオ製品のカタログを取り上げます。


ドイツのオーディオシステムは現代のDJ卓を連想させるおしゃれなデザインだった。

今回紹介するドイツのデュアル社の創業は、1907年と今から100年以上も前に遡る。つまり戦前だ。デュアル社は、当時流行りだしたレコードのプレーヤーを製造・販売する会社としてスタートし、戦後はオーディオメーカーとして名をはせる。

今回のカタログは、デュアル社の中でも一番脂の乗っていた頃の製品群が掲載されている。惜しくも70年代後半には日本からのオーディオメーカーの進出などにより、徐々に衰退していくのである。80年代には一度倒産して、別会社の傘下となりながらもブランドを維持している。そんな時代背景を思いながら、カタログを見ていただくと、一層理解ができるのではと思っている。

それでは製品を見てみよう。

いかにもドイツ的な重厚な雰囲気が漂う表紙だ。そして、家電の紹介の表現が日本とは全く違うところも面白い。またオーディオシステムは、どちらかと言うとインテリアに近い感覚だろうか。女性モデルからも当時の流行がよく分かる。

今回紹介するカタログは、全ページが48ページにも及ぶ分厚いもので、その殆どが各製品の写真だ。
なので、今回はそれぞれの章を抜粋して紹介したいと思う。

2ページ目は目次で、このページが「レコードプレーヤー」の章のトップになる。この写真のシステムは、プレーヤーとアンプのシステムで、デュアル社のラインナップの中ではシンプルな構成になる。

次のページは「ステレオ ホームステレオ」のラインナップだ。こちらはレコードとアンプが一体になったシステムの中では、一番ミニマムなものになる。ちなみにプレーヤーの下にあるのは、レコードを収納するホルダーだ。そしてモデルの座る椅子に目がいってしまう。

続いては、レコードプレーヤーとレシーバーが一体になった「コンパクトシステム」だ。筆者が知っている一体型のステレオはソニーのエアポートがあるが、デュアル社の製品はかなりコンパクトにまとめられている。この頃のチューナーは、グリーンの透過式スケールが暗闇で光り、独特の世界観を放っていた。

そして「コンポーネンツ」のコーナーへ。表紙に出ていたシステムだ。レコードプレーヤー、アンプ、チューナー、そしてオープンリールと当時の最高の組み合わせだが、見せ方が日本のオーディオ製品と違うところが興味深い。

こちらのページからは「スピーカー&ヘッドフォン」のコーナーだ。日本ではほとんどお目にかかれない白いスピーカーは新鮮だ。そしてスピーカースタンドのデザインも欧州を感じる。

最後の章は「アクセサリー」だ。よく見ないと分からないが、スタンドの上に付いた小型のマイクは必見。そしてLPの収納ケースは3色のバリエーション。さらに写真では分からないが、レコードプレーヤーやオープンリールのベースは着せ替えが可能なのだ。このあたりの発想は、日本との違いを大きく感じる。実に合理的だ。

「デュアルの最高の音を」とのメッセージがさりげない裏表紙は、全てのラインナップが結集した壮観な眺めだ。日本とドイツの似て非なるオーディオの世界を、カタログから少しでも知っていただけたら嬉しい限りだ。
 
出典: デュアルステレオ アンド ハイフィデリティ カタログ  (1972/73年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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