ジュエルトーン オーディオ プロダクツ カタログ

ジュエルトーン オーディオ プロダクツ カタログ

家電蒐集家松崎順一さんが考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回はカセットテープを自由に操るための強いパートナーのカタログを取り上げます。


ナガオカといえばレコード針が有名だったがカセットテープのためのツールも最強だった。

オーディオの全盛だった70年から80年代。アナログからデジタルに向けての過渡期でもあり、オーディオアクセサリーは、実に数多く発売されていた。

この時代は100円ショップもなく、安かろう悪かろう的な製品は意外と少なかったと思っている。当時の秋葉原には、テープの格安店や九十九電機のように自社のオリジナル製品を比較的安価で売っているお店もあった。ノープランドでもメイドインジャパンなので、製品としてはしっかりしていたと思う。

そして、テープの専門店にはあらゆる種類の膨大なテープが所狭しと販売されていた。オープンリールの山積みの横にはカセットテープのクローム、メタルなど各メーカーのハイクラスの商品が並んでいた。その傍らにはノーブランドのカセットなども多数あり、自由にチョイスできた。当時の秋葉原は本当に楽しい街だった。

そんなオーディオが華やかだった時代には、当然ながらそれらのアクセサリーも多く存在し、筆者の年代層を楽しませてくれた。
今回はオーディオアクセサリーの中では最大手のナガオカのカタログから当時を振り返ってみよう。

とてもシンプルな表紙だが、アフリカの草原が音楽創造の起源的なイメージを表したものだろうか。ジュエルトーンはナガオカのオーディオ機器全般の呼称だが、当初はハイブランド向けだった。

今回は表紙に関してはさっと流して内容を見てみよう。

ページを開けるとまず出てくるのが、ナガオカのオリジナルカセットテープ2種だ。とてもシンプルにノーマルのC-46とC-60の2種類がラインナップされている。録音時間を選ぶ側からすると、この2種類だけでは少ないと思ってしまう。

このページからカセットテープアクセサリーのページが始まる。カセットテープはそのまま使うのも良いのだが、音を編集するように自分自身でカセットテープ自体をオリジナルに仕上げられるメディアだ。そこにこそレコードにはない、カセットテープ独特の感覚が存在したと思っている。

続いては今でも馴染み深い、クリーニングカセットテープやそのキットだ。

初めて知った電動式のヘッドクリーニングキット。感じとしては電動歯ブラシ的なものだが、これはあったら今でも欲しい。その下に掲載されているカセットテープを巻くリワインダーは、筆者も現在何個か所有している。CT-406はカセットをホールドして巻き戻すことができ、手動だがいい感じに巻き取れる。もちろん電動式もありカセットテープ自体の消磁をするイレーサーも重宝した。

次のページは今でも絶対欲しいカードメーキングキット。インデックスを好みの物に変えるのは、当時一番の楽しみだった。FM誌にもよく付録で付いてきたり、カセットテープを購入すると貰えたりした。

テープ収納ケースについては、こんなにいいものは持っていなかったが、タバコのパッケージ柄のケースは当時幾つか使っていた。PC-505になるとカセットアルパム的に収納可能で、当時はこんなものがあるのは知らなかった。

最後のページはテープ編集の味方、テープスプライシングキット。カセットテープの編集はもとより補修にも大活躍したアクセサリーだ。振り返るとアナログメディア特有の楽しさは、これらのアクセサリーにより自分のスタイルで音楽を身近に感じることができた事だと思っている。
 
出典: 株式会社ナガオカ オーディオ プロダクツ カタログ  (1981年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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