ソニー フラットテレビ FD-200  カタログ

ソニー フラットテレビ FD-200  カタログ

家電蒐集家松崎順一さんが考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。今回はテレビの概念を変えた平面テレビの先駆け的な製品FD-200のカタログを取り上げます。


平面テレビに初めて憧れたのはウルトラ警備隊員がしていた腕時計型トランシーバーだった。

筆者が皆様に紹介したいカタログは、まだほとんど整理されていない筆者のカタログライブラリーの中から数点を絞り、その中から本命をピックアップしています。

実は執筆よりもこの作業の方が大変で、ダンボール箱に保管してあるカタログを掘り起こし、カテゴリーごとに分類して選別が始まります。この時に面白いカタログが出てくるたびに作業がストップして気がつくと時間が経ってしまう事を繰り返しています。
筆者が収集している家電のカタログではやはりソニーが圧倒的に多いのですが、生まれる前のカタログは流石にほとんどありません。

そんな中で今回紹介するのがソニー初のフラットテレビ、FD-200です。ちなみに筆者が平面テレビに衝撃を受けたのは子供の時に放映していたウルトラセブンの中で登場した腕時計型トランシーバーでした。

そして初代のFD-200はフラットテレビというネーミングでしたが、以降の製品はウオッチマンというネーミングが採用されています。

では実際のカタログを見てみましょう。

カタログサイズは標準的なA4サイズではなく縦はA4の297ミリで横が105ミリとA4の変形タイプである。このサイズにはFD-200を最大限に強調する仕掛けになっている。
表紙は何かが梱包され架空の住所宛に送られてきた荷物という設定のデザインだ。写真通りの片手で掴めるハンディタイプの製品という事で、もう一つは写真がほぼ実寸という事だ。

中を見開くと梱包を解いて現れた実寸大のFD-200の写真とキャプションがフラットテレビの魅力を伝えている。キャプションの中では単にテレビをみるだけで、モニターとして使うアイデアも盛り込まれソニーの考え方が表現されている。

ちなみに価格は54,800円で今の貨幣価値だと10万円弱と言ったところだろうか。

更にページをめくると現れるのが、FD-200のカットアウトレイアウトだ。偏平ブラウン管のカットアウトも精密に描き込まれている。ソニーが誇る当時最先端のテクノ・メカのキャプションは読んでもよく分からないが凄いことだけは理解できる。

次のページをめくると、またしても実寸大のFD-200の上部と横側と後側の写真が図面のようにレイアウトされている。このレイアウト表現にはカタログがこのサイズでないと都合が悪かったのだと思った。

実はFD-200本体も、ハンドユースのテレビというコンセプトを元にしてデザイナーが描いたイメージスケッチから逆算して内部の構造を設計したらしく、デザイン主導で開発された製品が当時のコンシューマー達に支持されたのだと思っている。

最後のページは表紙も含め背開きの状態で紹介します。裏は表紙の反対側の写真でカタログが面白く構成されていることがよく分かる。こんな遊びもソニーらしさだ。

梱包されたパッケージの背後にFD-200の仕様がレイアウトされている。フラットテレビのカタログは手にした瞬間からソニーの魅力に引き込まれてしまう実に楽しいカタログだ。

出典: ソニー株式会社「FLAT TV FD-200」カタログ  (1982年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

https://goldenyokocho.jp/articles/676

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

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